暁 〜小説投稿サイト〜
東方魔法録〜Witches fell in love with him.
14 交錯〜Fate play cruel trick sometimes.
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「言っただろ?俺は魔力を打ち消してしまう。それは自分の魔力だけじゃなくて相手の魔力も同様さ」
「だったら!」「肉弾戦で!」
レイレウが二人掛でマロウに向かっていく。しかし、さっきまで微動だにしなかった中国人みたいな人が急に動きだし、流れるような動きで、ただ単に二人の力の方向を変えるだけで二人を一瞬にして膝をつかせた。
「お嬢様の命により、この方の邪魔はさせません」
自分の感情を表に出さず、お嬢様とやらの命令を遵守する姿は冷徹で忠義深い印象を私に与えた。
レイレウはすぐさま立ち上がり、再び襲いかかるが結果は同じだった。
「無駄です。気の流れを読むことのできる私に素手では勝ち目がありません」
どうやらこの華人小娘は視覚か感覚かはわからないが気の流れを感じることができるらしい。
「くそ!」「だったら魔法で!」
だが、今度はマロウが盾となり、二人の魔法は消えていった。この二人厄介ね…!
「もう君たちと遊んでる時間はない。もう君たちとは会うことはないだろう」
そう言うとマロウは近くにいた私に向かってどこからかとりだした剣を突き立てようとした。あまりにも自然な流れだったため、自分に剣を向けられていることに気が付くのが遅れてしまった。
「パチュリー!!」
飛び出した明希が刺された。マロウの能力のせいか、防御魔法は無効化され刃が明希の体を貫いた。
「がふっ……!!」
あ…え?…
おかしいわ…
嘘でしょ……
目が点になり、頭の中が真っ白になり、沸騰したかのように熱くなった血液が頸動脈や頭を焼く感覚がする。
私を庇った明希が血を吐き、剣が抜かれると大量の血で地面を濡らしながら倒れた。
「庇ったか。皆殺しするから無意味な行動だ」
私は足や手を震わせて血を出し続ける明希によたよたと近づく。
ねぇ、嘘でしょ…?起きてよ明希。
ペタンと力なく足からゆっくりとへたり込み、力なく明希の体を揺する。けれども、何も反応がない。
「な!なにやっているんですか!約束が違うじゃないですか!!」
私の視界がぼやけて身体中の色々な部位が熱くなり始めてものを考えられなくなった。
なんで起きないの?どうしたのよ?
揺すり続けるが返事がない。
「…………!!!明希ィィ!!」
「貴様よくも!!」
「くそっ!僕達がもっと早く来れていたら!!」
走馬灯のように明希との思い出が思い浮かんでは消えることを繰り返す。
笑顔が、安らぎが、ときめきが、血と共に、流れていく。
「フハハハハハハ!!!!儀式は成功だ!!!貴様らの魔力が無くならなかったのは計算外だがまあ、いい!試し撃ちになってもらおう!!」
後のことはよく覚えていない。
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