第23話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
さて、戦闘が開始したが、戦況は単純化している。
「シャルは頭が固すぎるんだよ!そんなのだから胸も大きくならないんだ!」
「胸は関係無いでしょ!そんなに変わらないのに!」
「ボクはDあるもーん。最近またブラがキツくなってきたし、差がつく一方じゃないかな?」
「嘘だっ!!」
片方は口喧嘩の合間に攻撃が繰り広げられ、
「速い…!これがボーデヴィッヒの本気か!」
「言うわりには命中させない、楽しめるな、丹下智春!」
もう片方は攻守の入れ替わりの激しい空中での高速戦闘。一見お互いに敵を請け負っているように見えるが、実際はデュノアだけしか見えていないシエル嬢にボーデヴィッヒが攻撃するのを俺が防ぐ構図だ。
救いなのは、デュノアもシエル嬢のみを見ているので、二対一で攻められない事か。
「どけよボーデヴィッヒ!」
「貴様がどけ!」
俺のエネルギー弾とボーデヴィッヒのレールカノンが衝突し、激しい爆発を起こす。俺もボーデヴィッヒも狙いは一つ、いかに早く相方と合流するか、コレに尽きる。
喧嘩している相方の援護が出来れば、片方は容易に始末できる。後は、残ったもう一人をゆっくり追い詰めればいい。
それが分かっているからこそ、双方供にお互いのパートナーの所へ行こうとして邪魔される、それの繰り返しになっている。
このままでは埒があかない。賭けに出てみるか…!
「シエル嬢!」
シエル嬢に呼び掛け、握った右拳にエネルギーを纏わせ、巨大な拳を生成する。そして瞬間加速で一気にデュノアに詰め寄る。来い…!
「なるほど?」
感心した様子のボーデヴィッヒが俺を停止結界で止める。後は、シエル嬢がボーデヴィッヒを攻撃し、停止結界を中止させれば、再び動いた俺がデュノアを攻撃出来る。命中せずとも、手は増やせる!
シエル嬢の動きを待つ。だが、シエル嬢はそのままデュノアにかまけっぱなし。馬鹿な、『聞こえていない』のか…!?
「残念だったな、丹下智春」
本当に残念そうに、ボーデヴィッヒが俺を見据えている。
「己をデコイにして戦況を変える、途中までは見事だった。惜しむらくは…、相方との意識の齟齬か!」
停止した俺の背中に、ボーデヴィッヒのレールカノンが直撃、衝撃でシエル嬢の近くに墜落してしまう。
「師匠!?」
「気にするな!俺のミスだ!」
表情を驚愕に染めるシエル嬢にあえて大声でミスをアピールし、体制を立て直す。
俺が墜落した事でデュノアも冷静を少し取り戻したようだ。賭けは失敗、苦しい展開になってきたか。
「シエル嬢、頭は冷えたか?俺が前衛になる、背中は任せる!」
シエル嬢にフォローを頼み、盾になるべく前に出る。自分の失態は、自分で挽回する!
───────────
「
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ