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IS〈インフィニット・ストラトス〉駆け抜ける者
第23話
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いな!?」

師匠の発言が理解出来ない。攻撃するな?思い出せ?何を?何故?

「何度か質問する!それに答えていけば、自ずと分かる!」

そう言って、師匠のヴァンガードが翡翠色に輝き始めた。先日圧倒的な力を見せた、師匠の奥の手。

「シエル嬢、ゼロに教えてもらった時、一番最初に何を言われた?」
「何をしたいのか、どの距離で戦いたいのかを決めろって…」

シャルとボーデヴィッヒさんを近づかせないようにウイングを射出しながら、更に師匠は質問を重ねる。

「何と答えた?」
「ボクは接近戦を、師匠みたいな出入りで戦いたいって、ならゼロは周りを見る事から始めろって…ああっ!?」
「ようやく落ち着いてきたみたいだな…。次だ、シエル嬢とデュノアの違いは?」

物凄い加速力で、シャルに師匠が剣を振るう。けど攻撃に当てる意志は感じない。あくまで時間稼ぎみたい。

「背はシャルに負けるけど、スタイルは完勝だし、体重も多分ボクの方が軽い!」
「トモ、死にたいのかな?」

おお、シャルから強い殺気が!自業自得だね師匠。

「…言い方を変えよう。二人のISの違いは?」
「基本は同型だけど、武器に違いが…、」

ボクのISもシャルと大元は同じ、違いは兵装くらい。師匠は何を言いたいのだろう?

「なら、何故デュノアの土俵で張り合った?ゼロはそうしろと言ったか?」

刀剣から生じる衝撃波で、シャル逹を牽制する師匠。師匠は待っている、ボクの答えを。

「シャルが羨ましかった、シャルと同じ距離で勝って、認めて欲しかった。『シャルロット・デュノアの妹』じゃない、『シエル・デュノア』を」
「だから躍起になってデュノアを狙い、周りを疎かにした。…これからどうする、シエル嬢?」

どうするか?そんなの決まってる!

「師匠、いやトモハル!力を貸して!ボクはボクのやり方で戦う!」
「ようやく答えを出したな。任せろ、一発たりとも当てさせはしないさ!」

頼もしい『相棒』に背を任せ、前に出る。呼び方は変えたけど、ボクの師匠であるとの認識は不変、やっぱり、まだまだ遠いな。
それはさておき、仕切り直しだ、気分も一新した方が良いよね。

「それじゃあ、行くよ?イッツ・ショーターイム!!」

なるべく明るく声を出し、援護を受けながら前進。沢山苦労させた分、今度はボクが動く番だ!

──────────

シエル嬢が前に出た事で、状況が一気に変わった。今までデュノアとほぼ同じ武器で戦ってきたシエル嬢が人が変わったように接近戦を仕掛けてくるのだ。デュノア達の驚きも大きい。何より、シエル嬢に目が向くようになったが故に俺が動けるようになった。
当初の作戦とは異なるが、今となってはこの方が良い。

…しかし、シエル嬢接近戦
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