ラヴリー・スタイル
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の衣装は自前ですか?」
返ってきた答えは秘密です、だったが。
不意に、山田先生に携帯電話を持っていないかと言われた俺は、持っていますよと答え制服のポケットから取り出す。
見せて下さいと言うので山田先生に渡すと、自分の携帯電話を取り出し、操作しながら俺の携帯電話にも何かをしていた。
返しますと言って戻ってきた俺の携帯電話の画面には、ホルスタイン柄の衣装着た山田先生が可愛らしいポーズを取っている写真がデカデカと映っている。
その写真から目を離せないでいる俺に、
「織斑先生には、ナイショです」
と俺の耳元に口を持ってきた山田先生は小さい声で言った後、
「アーサーくん、お誕生日おめでとう」
という言葉が聞こえてきた。
「俺の誕生日を知ってたんですか?」
俺は驚いて山田先生を見る。
「何せ私は先生ですから」
そこには満面の笑顔があった。
再び携帯電話の画面に視線を移した俺は、山田先生のコスプレ写真をまじまじと見る。
そして心の中で拳を突き上げ、歓喜の声を上げながら、この写真を一生の宝物にしようと心に誓っていた。
俺のそんな細やかな幸せも長くは続かなかった。
皿を抱えた織斑先生も俺の隣に座ったのだ。
山田先生がここにいるので来たんだろう。
それはいい。
だがなぜ俺を挟むようにして座るんだ? この並びには嫌な思い出があるんだが。
まあ、この場にアルコール類がないだけマシか。
織斑先生とは補習のことやら四組に移ってからのことを話した。
話が堅苦しいこともあって、まるで仕事場に気紛れにお偉いさんが現れ、調子はどうかと聞かれた社員の気分になるな。
こんな出来事が起きた俺の誕生日でもある九月二十七日はこうして幕を閉じるのだった。
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