第6章:女の決意・男の勘違い
第35話:価値観の相違
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行く。
「な、泣くなよぉ……」
「あの……私に一つ案がございますが……」
私の涙に狼狽えるリュカさんに、エビちゃんさんが打開策を提示しようと話しかける。
「それは『こしあん』『つぶあん』どっち?」
「は? あぁいえ、そういう事ではなく……私の持つ不完全な進化の秘法の知識と、貴方様が持つ進化の秘法を完全にする黄金の腕輪を合わせ、進化途中のデスピサロ様をお救いしようと思ってます。進化の秘法が完全になれば、デスピサロ様の進化もキャンセルさせる事が出来ますので……」
そ、そんな事が出来るんですのね!?
「リュカさん……是非それを実行して下さい!」
「えぇ〜……これ僕のなんだけどぉ。それにぃ……」
「そんな事を言わず……お願いしますリュカさん!」
「そうだリュカ! デスピサロ様をお救いする方法があるのに、渋るとは何事か!? ロザリー様の為にも、黄金の腕輪を差し出せ!」
私は必死で泣き、ラピスさんも必死で怒鳴る。
シン様達からも不平の声が上がり、何も言わないのはビアンカさんを始めご家族の方々だけ……やはり家長であるリュカさんの意向には逆らえないのでしょうか? 哀しいです……
「わ、解ったよ……」
「リュカさん、良いんですか?」
皆さんの訴えに負けたリュカさんは、渋々だが腕から黄金の腕輪をはずし皆さんの不平を抑え込む。しかしウルフさんは納得してない様子です。
腕輪を渡す事を望む我々を見て、何かを訴えようとしている。
「だってウルフ……この時代の人々が挙ってそれを求めてるんだから、それには従わないとね!」
「まぁリュカさんがそう言うなら、俺には反対する理由はありませんけど……」
幾何かの間を置き何やら意味深な会話をした後、リュカさんは黄金の腕輪をエビちゃんさんに手渡した。
お二人は何を言いたいのだろうか?
私達の間に不安感が募って行く……
ロザリーSIDE END
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