第6章:女の決意・男の勘違い
第35話:価値観の相違
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けど……今回はリュカが一人で戦うんだろ?
「な、何!? 伝説の勇者様……?」
「そうだよ……ほら」
「あ、どーもー。只今ご紹介に与りました、天空の勇者シンです。山奥の村で魔族の襲撃から逃れ、ここまで来ましたー。でもご安心下さ〜い……今回は俺の部下が一人で戦いますから、遠慮せずに全力で戦っちゃって下さい」
紹介されたシンは、リュカが一人で戦う事を強調して自己紹介を終わらせる。
とは言えエビルプリーストには最悪だろう……
リュカを相手に手を抜いて勝てない事は承知のはずだし、全力を出せば次の勇者との戦いに勝てなくなるかもしれない。
「つー訳で、いくよエビちゃん!」
リュカ的にザコと認定している奴が極度に怯んだ為、やる気を見せる様に杖を振ってエビルプリースト(確かに長いな……)に近づいて行く。
「ま、待て! わ、私の……負けだ! 降参する……」
不利を悟ったエビちゃんは、リュカのプレッシャーに押される形で降参し、我らとの戦闘を回避した。
それを聞いたリュカは満面の笑みでガッツポーズする。もしかして罠に嵌まったのは我々か?
ラピスSIDE END
(結界の祠)
ロザリーSIDE
良かった……無意味な争いを回避でき、皆が平和になれる解決をして……
後はデスキャッスルに居るピサロ様を説得しなければならない。
その為にもエビちゃんさんには結界を解いてもらう必要がある。
「じゃぁエビちゃん……結界を解除してよ。負けを認めたんだからさ」
「け、結界を解くのは問題ない……だが、もう既に手遅れなのだ! デスピサロ様は頼みの綱であったエスターク様を消失し、自らが進化の秘法でパワーアップし、世界を混沌に変える事を決意したのだ」
「えー!? だって進化の秘法は不完全なんでしょ? ほら……僕が黄金の腕輪を持ってるんだよ!? それなのに進化の秘法を使っちゃダメでしょ?」
「解っておる……私も止めたのだが、勇者が生きている事を知ったデスピサロ様は、焦って事を進められたのだ」
「そんな!? リュ、リュカさん……助けて下さい! 何とかピサロ様を助けて下さい!」
「わ、解ってるよぉ……つー訳で、どうにかするから結界解け!」
私の必死の訴えを受け入れてくれるリュカさん……本当に感謝です。
「勿論です……もう結界は解きました! ですが不完全とは言え進化の秘宝を使用したデスピサロ様を説得するのは不可能かと……」
「んな事は、やってみなきゃ解らないだろ! 取り敢えず奴の所に行って、何かしてみるよ!」
あぁ……ありがとうございますリュカさん。
気が付くと私の足下では、無機質な甲高い音が響き渡ってる。
ピサロ様を失う恐怖なのか、救えるかもしれない希望への安堵なのか、私の目から涙が止めどなく流れ落ちて
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