第6章:女の決意・男の勘違い
第35話:価値観の相違
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中を進むリュカと我々。
「あ〜……やだなぁ戦うのぉ〜……僕は平和主義者なんだよねー! 戦うの嫌いなんだよねー」
「うるせー、俺達は既に3回も激戦を熟してきたんだ。少しは休ませろ」
ウルフはリュカの弟子で部下で義息なはずだが、どうにも態度が大きく感じる。良いのか?
「休むんだったらさ、一端天空城へ戻ろうよ! 何で戦闘と同時進行なんだよ!?」
「お前が言ったんだろが! 『手分けしよう』って……だからリュカさんが戦って、俺等が休むんだ! 俺等が戦ってる時はリュカさんは休んでたんだから……」
「僕の言ってる“手分けする”とは違うんだよなぁ……解らないかなぁ?」
「解らないね、今は疲れてて思考回路が働かないから! 俺に解ってる事は、今回はリュカさんが戦う番だって事……だからサッサと戦って来いよ!」
この二人の口論を聞いてると、如何なる時でも笑ってしまう。
みんな疲れ切ってて口数も少ないのに、この二人だけは常に楽しそうな遣り取りを繰り広げる。
リュカの背中を祠内の管理者の所まで押すウルフを見て、何となく嬉しくなってくるのは何故なんだろうか?
「遂にここまで来おったか……」
祠の最上階に辿り着くと、そこには地を這う様な低い声で我らを出迎えるエビルプリーストの姿があった。
以前リュカにえぐられた左目を痛々しそうに包帯で包んだ姿で……
「何、アイツー!? 顔の左側を包帯で巻いてるよ……怪我してるの? じゃぁなかったら、中二病?」
「あ、貴様は!? お、お前が私の左目をえぐったのだろう!」
まさか忘れてる訳じゃないだろう……って言うか、中二病って何だ!?
「僕がえぐったの? ……ああ、リバーサイドを襲撃しに来たザコか! 憶えてるよ、忘れてないよ。本当だよ。そっか……あのときのザコか……ラッキー! 4つの祠で一番弱い奴に当たった」
どうやら本当に忘れてたらしく、記憶を呼び起こして歓喜を表すリュカ……しかし、エビルプリーストはザコではない!
「リュカ……奴の名はエビルプリースト! デスピサロ様の腹心だ。以前は侮って襲来したから問題なかったが、けして弱い相手ではないぞ!」
リュカの実力を過小評価する訳ではないが、相手を侮りすぎるのは間違いの元だ。だから私はリュカに注意を促したのだが……
「エ、エビル……エビルプ……長ーな名前! エビちゃんで良いよね? 今日からお前エビちゃんね!」
「エ、エビ……ふ、ふざけるな! あの時の私と同じだと思うなよ……」
その通りだ……ここは魔界に近く、奴の力も増大している。
「前回は100対1でボロ負けしたクセに、今回はこっちの方が人数は多いんだぞ! しかも前回は所用で居なかった伝説の勇者様も居る! 楽勝でハラショーだよ」
そうだ
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