第5話 エバルー屋敷
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に鍵を見せつける。
「ほぉう………星霊魔法か、ボヨヨヨ。だが文学少女のくせに言葉の使い方が間違っておる。形勢逆転とは勢力の優劣状態が逆になる事・・・1人と猫1匹増えたくらいで我輩の魔法『ダイバー』はやぶれんぞ!」
そう言って地面に潜るエバルー。
「この本に書いてあったわ。内容はエバルーが主人公のひっどい冒険小説だったの」
「なんだそれ!」
「我輩が主人公なのは素晴らしい。しかし内容はクソだ。ケム・ザレオンのくせにこんな駄作を書きよって、けしからんわっ!」
「無理矢理書かせたくせに、なんて
偉そうなの!?」
「偉そう?我輩は偉いのじゃ!その我輩の本を書けるなど、ものすごく光栄な事なのじゃぞ!」
「脅迫して書かせたんじゃないっ!」
「脅迫?」
エバルーの攻撃を躱しながら叫ぶルーシィ。
「それが何か?書かぬと言う方が悪いに決まっておる!!」
「何それ………」
「話しがわかんねぇけど凄ぇ悪いこと言ってるな、こいつ」
全く反省していないエバルーに、ルーシィとエバルーに呟く山本。
「偉ーいこの我輩を主人公に本を書かせてやると言ったのに、あのバカ断りおった。だから言ってやったんだ。だから言ってやったんだ。書かぬと言うなら奴の『親族全員の市民権を剥奪する』とな」
「市民権剥奪って………そんな事したら商業ギルドや職人ギルドに加入できないじゃないか!コイツにそんな権限あるの!?」
「封建主義の土地はまだ残ってるのよ……こんな奴でもこの辺りじゃ絶対的な権限を振るってるってわけ」
「けっきょく奴は書いた!しかし一度断った事はムカついたから独房で書かせてやったよ!ボヨヨヨヨ!!やれ作家だ文豪だ………とふんぞり返っている奴の自尊心を砕いてやった!」
「自分の欲望の為にそこまでするってどうなのよ!?独房に監禁された3年間!彼がどんな思いでいたかわかる!?」
「3年も……!?」
「我輩の偉大さに気づいたのだ!」
「違う!自分のプライドとの戦いだった!書かなければ家族の身が危ない!けど、お前みてぇに腐った人間を主人公に書くなんて………作家としての誇りが許せない!」
「貴様……何故それほど詳しく知っておる?」
「全部この本に書いてあったわ!」
「はぁ?その本なら我輩も読んだ。ケム・ザレオンなど登場せんぞ」
「もちろん普通に読めばファンもがっかりの駄作よ。でもアンタだって知ってるでしょ?ケム・ザレオンは元々魔導士」
「なっ………まさか!」
「そう。ケム・ザレオンは最後の力を振り絞って……この本に魔法をかけた」
「魔法を解けば我輩への恨みをつづった文章が現れる仕掛けだったのか!?け、けしからん!」
「発想が貧困ね………確か
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