オーバーロード編/再
第43話 碧沙の泣き所
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感情がコントロールできなくなってきてる。紘汰さんのお姉さんに手を出した時も、ちっとも心が痛まなかった”
“その時みたいに、いつか僕はきっと、紘汰さんを、舞さんを憎んでしまう。こんなにダイスキ、なのに”
“そうなる前に。大好きなあの人たちに憎しみをぶつけてしまう前に、僕はここからいなくなろうと思う”
“手伝ってくれるよね、碧沙”
“大丈夫。何もしなくていい。ただ黙ってる、それだけでいいんだ”
「だからって、ここまで、っしなくても――!」
シドは話を聞き終えて理解した。
貴虎や光実にとっての泣き所が碧沙であるように、碧沙にとっての泣き所もまた兄たちなのだ。
(つまりこいつは献身――いや、間違った自己犠牲と自己陶酔の塊の人間ってわけか。よくもまあそんな兄貴のために泣けるもんだ)
思いながらも、この透明な涙を流させる光実に燻るものを感じたことを、この時、シド自身も自覚していなかった。
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