Dragon and human of mixed race
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理由だった。
クロスは泣き出しそうな声でそう言った。
「姉さんの体の中には、人間の血と竜の血が半分ずつ流れている。その体質は竜であり、滅竜魔導士のように視覚・嗅覚・聴覚が優れ、身体能力の高さも竜人であるが故だ。これは細かい点だが、ドラグニル達の犬歯が牙のように鋭いのと同じように、姉さんの犬歯も牙のようだ」
これが出生も何も関係ない身体能力だったら、素直に凄いと言えるだろう。
だが、彼女が身に着ける身体能力の全ては、本来向けられるはずだった愛情や優しさを犠牲にして得たもの。
凄くもあり、喜ばしい能力であり―――――悲しい能力だった。
「でもさー」
その空気を破ったのは、空気クラッシャーでお馴染みルーだった。
難しい言葉が飛び交い続けているからか、その頭の上には?が見える。
「それって竜人とは限らなくない?偶然視覚とかが良くて、偶然犬歯が牙みたいだったって事はないの?」
偶然が重なりすぎるが、有り得ないと言い切れる訳じゃない。
こてっと首を傾げるルーに、クロスは小さく溜息をついた。
ゆっくりと首を横に振る。
「いや・・・確かに能力だけならあり得る。だが、姉さんには“竜人である事”を決定づけるものがあったんだ」
「決定づける、もの?」
ああ、とクロスは頷いた。
自分の青い髪を左手で抑え、右手でそこに触れる。
「項に、な」
普段は長い青い髪で隠れる箇所。
当然、そこに何があるかをナツ達は知らない。
ティアはロングヘアをカールさせる事はあるが、結ぶ事は多くないのだ。
アカネビーチに出かけた際は少し高めの位置でポニーテールにしていたが、それも髪が項を隠していた。
「お前は知っているんじゃないのか?」
ふと、クロスがそう言った。
その顔がギルドの入口へと向く。
つられるように、ナツ達もそっちを向いた。
「―――――ロキ」
そこに立つのは、ロキ。
ルーシィと契約する星霊『獅子宮のレオ』でありながら、今も変わらず妖精の尻尾の魔導士である。
人間界にいた期間が長かったからか、ルーシィの意志とは関係なしに門をくぐって人間界に来られるのだ。
「ルーシィいつの間にロキ呼んだの?」
「呼んでないわよ!てゆーかアンタ、何で!?」
「今日は女の子とデートの約束をしててね」
予想通りの言葉に思わずルーシィは額に手をやる。
ロキはつかつかと足を進め、クロスの横へと立った。
「取り引きをしたんだ」
「え?」
それと同時に、ロキが口を開く。
「僕が星霊で、消えようとしているのをみんなに黙っておいてもらう代わりに・・・ティアの項にあるものを黙っておくっていう取り引
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