Dragon and human of mixed race
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で、驚きから覚めないのだ。
そして覚めないまま次の驚きがやってくる。
「初祖が竜って・・・」
「つーか待てよ!じゃあ、何でクロス達は人間なんだ?竜が初祖なら竜の一族のはずだろ?」
スケール大きめの話にルーは意味が解っていないのか呆然とし、アルカが御尤もな事を叫ぶ。
人間から人間が生まれるように、竜からは竜が生まれるはず。
が、竜を初祖に持つクロスはどこをどう見たって人間であり、兄のクロノも人間にしか見えない。
ティアも人間にしか見えないのだが―――――――。
「ああ、普通はそうだ」
クロスは頷いた。
「俺も詳しくは知らん・・・というか、知ろうと思わない。聞いた話じゃ、どこかの代で竜と人が愛し合い、その間に生まれたのが竜人らしいな。そして代を重ねていくにつれ竜の血は薄くなり・・・俺達の代では人間と人間の間から人間が生まれている」
つまり、こういう事だ。
最初のうちは竜と竜の間から竜が生まれていた。
が、どこかの代で愛し合った竜と人の間からその両方の血を併せ持つ者、竜人が生まれた。
しばらくは竜人が生まれ続けていたが、竜もいつかは死んでいく。
次第に竜は減り、竜人だけが残った。
竜人と人間が愛し合い、その間から竜の血が少し薄くなった竜人が生まれる。
それを繰り返し、結果としてクロスやクロノの代では竜の血は一滴たりとも残らなかったという訳だ。
「だが―――――そこに、生まれるはずのない竜人が生まれた」
生まれるはずのない存在。
その名は、聞かなくてもすぐに解った。
「ティア=T=カトレーン・・・姉さんだよ」
イレギュラー、とも言うべきだろうか。
不規則的、変則的な存在。
それが、ティア=T=カトレーンという少女が隠してきた真実だった。
「姉さんは複製能力を持たない。それだけでも一族の中じゃ白い目で見られるのに、更に生まれるはずのない竜人として生まれてきたなんて・・・出来損ないと呼ばれる理由はそれさ」
驚きが覚めた。
代わりに、怒りが湧いてくる。
「何だよソレ!気に入らねぇ!」
「どんな風に生まれるかなんて解る訳ないじゃない!何でそれでティアが出来損ないになるのよ!」
「つーか、そんな状況見て周りは何とか言わねぇのかよ!」
「そんなの酷すぎるよ!ティアが可哀想じゃないか!」
ナツ、ルーシィ、グレイ、ハッピーが口々に喚く。
それを片手で制しながら、クロスは口を開いた。
「お祖母様に逆らえる人間なんて一族にはいないんだ。自分の命が惜しいからな、誰も姉さんを助けようとは思わない。当時の俺には・・・姉さんを助ける事は出来なかった」
幼かったから、なんて言い訳はしない。
ただ、殺されたくないなんて、自分勝手な
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