第二十二話
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「えっ?何で?枷が……外れない!?」
「枷が……外れない?」
まさか……
俺はディオドラを起こす。
「おい、答えろ!この装置はなんだ!」
「……それは禍の団の神滅具保持者によって生み出された装置型の固有結界。それは物理的なものでは何があっても外れることはない……アーシアの能力が発動しなければ、ね」
なん……だと……っ!
「その装置は機能上、一度起動させると停止するにはその枷に繋がれたものの力を発動しないと停止しない」
「…神滅具保持者によって創られたと言ったな。つまりこれは上位神滅具の一つ、絶霧によるもの。だけどこの神滅具にはそんな大層な装置、固有結界を創るような能力はない。結界系最強の神器だが、その力は所有者を中心に霧を展開し、その場の空間を干渉し、霧に入った物体を封じることや、次元の狭間に送るような能力だ…これはただの神滅具じゃないはずだ」
「…そうだよ。これは確かに絶霧だが、実際にはそれを大きく上回るもの…禁手だ」
バランス・ブレイカーっ!?
あいつ、バランス・ブレイカーに目覚めたのかっ!?
「霧の中の理想郷。所有者が好きな結界装置を生み出すことの出来る。それは一度正式に発動しないと止めることは出来ない…物理攻撃では破壊することも出来ない」
「……これを作ったのはゲオルクか?」
「っ!?な、なぜ貴様がその名前を!?」
「やっぱりそうか……」
絶霧を持ってるのはゲオルクだからな……つまりはあの時一緒に戦ったジャンヌとかも禍の団に所属しているとみていいな。
「ゲオルクの事だ……きっとこの辺に……あった!」
俺は装置の裏側に回り、一部だけ形が違う場所を押す。
するとその場所の下から何か番号の羅列のような物が出てくる。
「なるほど……暗号って訳か…」
ゲオルクが考えそうな事だぜ……番号はっと……。
「ば、バカな…!?そんな物があったなんて……!?」
「あいつは随分と用心深い性格でな。こういうのは大体付けなきゃ落ち着かないそうだ。番号は……これか?」
俺は番号を入力する。
666、と……。
『パスワードが入力されました。枷を、解除します』
そう機械音声が聞こえると枷が自動的に外れる。
「アーシア、これで帰れるぞ」
「はい……!ありがとうございます、イッセーさ」
さん、と言おうとした瞬間……アーシアの姿は消えた。光の柱に飲み込まれて。
「アーシア……?」
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