第一章 運命の始まり
第三話
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道や魔剣ミストルティンの恩義もわかるが、それはそれ。これはこれであり、俺としてはさっさとシグルドについて勝ち馬に乗ればよかったのにと思うところがある。
「あれがアズムール様ですか? 父上」
「そうだ、グランベル国王のアズムール様だ。我らの謁見にはまだまだ時間がかかる。それまでは礼儀正しくしておるのだ。兄上達について行け。私と妻は、挨拶回りをしなければならんのでな」
「はい、気を付けます。それでは、後ほど」
「うむ」
兄上と姉上とともに会場を周る。またもや姉上は、兄上にベトベト。正直恥ずかしいが、女性を男性がエスコートするのは社交界では当然のことなので、姉上は正式にベトベトできるのだ。
ちなみに俺は、そんな彼ら二人の後ろにはぐれないようについていく。これが結構大変なことで、人が多いため一瞬でも目を離してしまうと二人の姿が見えなくなってしまうのだ。
そうして、今回ここに来ることになったために急遽目標を作ったのだが、そのうちの一つが達成されようとしていた。
「これが噂の姫君かい?」
「ああ、キュアン。自慢の妹だ。どうだ、可愛いだろう?」
「美しいだな、可愛いというよりも。どうも初めまして私の名はキュアン。兄上とは仲良くさせていただいております。どうぞよろしく」
なるほど、これがキュアン王子かこれまた堂々たるものがある。いろんな世界でいろんな世界を見てきたがその中でもこの王子は、王子様ランキングトップ10に入れてもおかしくはない何かを感じさせる。ちなみに兄上はその中でも5位以上になるだろうと俺はふんでます。
「まぁそんな、嬉しいです。ラケシスです、こちらこそ兄がお世話になっております」
「ええ、どういたしまして」
「おい、キュアン!」
「おお! やはりエルトシャンも家族の前だと怒るか。悪かったな」
「ふん、それでシグルドはどこにいる? あいつの自慢の妹君をこの目で見てみたい」
「もぉ、お兄様」
そういって笑い合う三人だった。俺の居場所がありません、どうか兄上私にも触れてください。
「ああ、そうだった。ロキこっちに」
俺の願いが天に届いたのか、ようやく俺が話の輪に入る時が来たようだ。
「これまた自慢の弟のロキだ。挨拶しとけ、キュアンはレンスターの王子だ。今はこんな感じだが、将来は化けると私は見ている」
「エルトシャン、それはひどいな。しかし、こっちも噂通り利発そうな子だ。よろしくな、キュアンだ」
「どうも、ロキです。こちらこそお噂はかねがね。次代のゲイボルグを継承する方に会えて嬉しく思います」
「これは、これは。丁寧にありがとう。こちらこそ、君に会えて嬉しいよ。今度、我が家に招待したい、
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