第三章
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第三章
「こんな強い奴が出て来たなんてな」
「予想していなかったよ」
「まるで日本のアニメの主人公だな」
「ああ、そんな感じだよな」
「滅茶苦茶強いぞ」
こう言ってだった。そのうえでだ。
彼等はだ。このことを期待したのだった。
「決勝も優勝か」
「そうなるかもな」
「決勝の相手は確かに強いけれどな」
その相手はだ。過去に全国大会で何度も優勝してきた猛者だった。
そしてその猛者がだ。どうかというのだ。
「相手は気功だって使うがな」
「李はそれ使ったか?」
「今までは使ってなかっただろ」
「じゃあ勝つのは難しいか」
「そうだろうな」
流石に今回ばかりは相手が悪いのではないかとだ。多くの者が思った。それでだ。
その彼、劉神鳳との闘いがはじまった。その劉はだ。
李より十歳程年長のだ。顔に皺が幾つもある男だった。その男が拳法着を着てだ。
同じく拳法着姿の李と対峙する。互いに礼をしてからだ。
そのうえでだ。劉は構え、蟷螂拳の独特の構えを取りつつ李に言うのだった。
「この蟷螂拳に気が加わればだ」
「無敵だというのですね」
「そうだ、敵はない」
まさにだ。そうだとだ。
八極拳の構えの李にだ。こう言ったのである。
「だからこそだ。私は勝つ」
「そうされますか」
「君は確かに強い」
李の強さは認めた。確かにだ。
だがそのうえでだ。彼は言うのだった。
「しかし私はより強いのだ」
「では今から」
「私が勝つ」
「俺もです」
李もだ。負けてはいなかった。その全身に力を込めてだ。
そのうえでだ。劉に対して言ったのである。
「優勝してそうして」
「どうするのだ」
「家族の笑顔を見ます」
そうするとだ。確かに言ったのである。
「俺は絶対に」
「そうか。君は家族の為にか」
「優勝します」
こう言ってだった。そのうえでだ。
二人の攻防がはじまる。まずはだ。
劉は蟷螂の鎌を上から下に一閃させた。それによりだ。
そこから気を放ちだ。李に向けたのだった。その気をだ。
彼はだ。かわした。紙一重にだ。
それからまた言うのだった。
「気を放たれますか」
「気はこうした使い方もできるのだよ」
「そうですね。気もですね」
「気が使えるかどうか」
構えを取りながらだ。劉は李を見据えながら述べる。
「それだけで全く違って来る」
「確かに。間合いが離れていても攻撃ができますから」
「それだけ私が有利だ」
このことを李に告げるのだった。
「だからだ。勝たせてもらおう」
「いや、それでもです」
李もだ。目は強い。その目でだ。
間合いを詰める。一気に前に出る。
そしてその掌底を出す。その掌底をだ。
劉は防ぎだ。そしてそれからだ。右
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