ターン5 鉄砲水と過去の源流
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ぶんと不穏な話になって来たものだ。大丈夫だろうか、ノース校。
「これは私の勘でスーが、どうもこの話には嫌な予感がするノーネ。皆さんが引き受けたくないというのなら、なんとかして断れるよう私が直接ノース校に出向いて交渉してみまスが、いかがでしょう」
「なるほどな。つまり、進むか退くかここで決めてほしいと」
「その通りデス、シニョール三沢。私個人としては、この挑戦を断ることでノース校に馬鹿にされるのは確かに悔しいでスーノ。しかーし、私はそれ以前に一人の教師。生徒に少しでも危険が及びそうなことは断じて許さない、それが教師のありかただと思ってますノーネ」
おお、いい人だ。この人がこんなこと言う先生になるなんて、僕らの入学時には思いもよらなかったのになあ。だけど、その気持ちはありがたいけど、僕らだってデュエリストなんだ。なにより去年はセブンスターズ相手に闇のゲームで大立ち回りを繰り広げてきた僕らにとって、そんな新興宗教なんぞ怖くない。だから、
「気持ちはありがたいけど、俺はそのデュエル引き受けるぜ。売られたデュエルは買うのが礼儀だしな」
………なんで先に言っちゃうかなあ、十代。
「当然、俺もだ。ノース校のやつらにはまたこの俺が直々に活を入れてやる」
「私も参加するよ、だってさ」
「右に同じく、だ」
「私も参加するわよ」
………だからなんで僕より先に言いたいこと言っちゃうかなあ、この人たちは。それとも単にこっちのタイミングが悪いんだろうか。しょうがない、せめて締めの一言ぐらいは言わせてもらおう。
「ってことですよ、先生。きっと大丈夫です、僕らは勝ちますから」
「とは言ったものの、具体的にどうしようかなあ」
あれからクロノス先生はまだ少し心配そうだったが特に何も言わず、そのまま流れ解散。正直、何かしようにも情報が少なすぎるのだ。
「ただまあ、特訓はしておかないとねえ」
きっとサンダー四天王だってこの1年を遊んですごしたわけじゃないはずだ。なら、僕はさらにその上をいかないと格好がつかない。そもそも僕、去年は副将の鎧田にこそ勝ったけど公式の試合では万丈目に負けちゃったし。
そして、僕には1つ前々からやってみたかったことがある。いい機会なので、あの男に頼んでみよう。
「………なるほどな。確かにこの学校中探しても、そういうことなら俺が一番だろうな。いいぜ、あの時に俺を止めてくれた借りもまだ返せてなかったしよ」
「うん、ありがとう。だけど悪いね、せっかく自分なりのデッキを作ってる最中でまたこんなことさせて」
あっさりOKはもらったけど、さすがにちょっと良心が痛む。何しろ今からやってもらうことは、例えるならばアル中が治りかかってきた人を結婚式に呼んで
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