影に潜む人形
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失だからな」
高笑いをしながら去っていく試験官を見つつ恵を背負い直す。
……高笑いがシュール過ぎる。
とりあえず恵を下ろしたい。そろそろ現実逃避するのが辛くなってきた。……主に背中の感覚を。
とまあそんな理由から観客席の方に移動し、恵を寝かせたところで寄ってきた人が一人……。純白の服を着て、どことなく雰囲気が薄い。そう、彼の名前はかの有名なエアーマン三沢だ。
……初GXの原作キャラに会えて多少興奮してしまったかもしれない。
初原作キャラがあのゾーンだったし余計に……。
「やあ、君は筆記試験第五位の尾上逢魔君で合っているかい?」
「そんな長い名前になった覚えはないが……尾上逢魔なら俺だ。そっちは?」
「ああ、これは失礼した。俺の名前は三沢大地。よろしく頼む」
そういえばそういう名前だったな。エアーマンが定着し過ぎていて全く思い出せなかった。
「それでなにか用か?」
「いや、成績優秀な人たちとは早めに顔を繋いでおきたいと思ってね」
「それはすまなかったな。恵がこんな状態で」
ぼーっとしている恵の状態を見て肩を竦める。
第一位だもんな、恵。
「確かにそれは残念だが……なに、君達ならば必ず合格してくるだろう。顔を繋ぐのならばいつでもできるさ」
「まあ、さすがに俺らがこれで落ちるってのは考えにくいがな」
十中八九勝てるだろうし。勝ちたかったらガチデッキかチートデッキを持ってこい。
「大した自信だな。それなら心配ない。それじゃあ君達との学園生活を楽しみにしているよ」
「ああ……」
俺が無難に頷くと、白い服を翻し足早に三沢は去って行った。
なんで空気になったのかわからないくらい、いい奴だったような……。
……とにかく、手持ち無沙汰になったのでデッキの整理をしよう。間違えてシンクロやエクシーズが主体のデッキをセットしたら目も当てられない。
デッキの確認にそんなに時間を取られるわけもなく、再び暇になったのは気にしない方向で。
「では、受験番号五番。尾上逢魔の試験を開始する」
「よろしくお願いします」
恵の顔を眺めていたら自分の番だった。やっぱり二次元と三次元は違うもんだな。
「先攻は受験生だ。例え負けたとしても合否には関係ない。恐れず、全力を出し切れ」
「はい、わかりました」
全力を出したら一ターンであなたのライフが消し飛ぶが構わないのだろうか?
……アテナバーンはやめとこう。
「俺のターン、モンスターをセットしてターンエンド」
「ふむ……堅実的で実にいいな。私のターン、ドロー。剣闘獣アンダルを召喚。そしてデーモンの斧を装備。バトルだ。剣闘獣アンダルで裏守備モンスターを攻撃する」
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