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生命の木〜少女愛者の苦悩
生命の木
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川の口にキスをした。
「人に迷惑がかかるかもしれない。」
「そんなの知らない。」
レナータは手提げからワインを取り出した。
 卓袱台のもとでワインを開ける準備についた緑川の前にレナータは裸で立った。まだはっきりした頭でその白い体を緑川はつくづく眺め、美しいと思った。レナータは緑川の視線を意識しながら、それを味わっていた。いろいろな姿勢をとってみせた。それからまた緑川の口にキスをしたが、ふと後ろを向くと前かがみになり、両方の手で緑川に広げてみせた。見えるかとレナータは脚のあいだから顔を覗かせて尋ね、寄せて近づけた。子供らしいみずみずしさと女の子らしい不潔さとが調和していた。
 その姿勢のためか、力を緩めたせいか、大きく開いたそこが光の具合で奥までよく見えた。こんな子供のものを目にするのは初めてだったし、めったに見られぬそこの様子だったから、緑川は、閉じてしまわないよう気をつけつつ、鼻と口とを近づけた。
 ズザンナを嗅いだ時は、ズザンナの高貴さがそれに汚されることがないと思った。レナータの場合、これこそがレナータなのであって、しかも汚さを感じさせず、緑川にいのちの恵みであると思わせた。
 眺めているうちに、緑川にはある積極的な意志が湧いてきた。この子の保護者になってもよい、身柄を引き取っても構わないと思った。せめて母親に会って意見するか、いよいよだめなら訴訟に持ち込んでやろうと考えた。しかし、どれも自分の行為をあらわにすることだと悟った緑川は、やるせなくなって、ワインをその場で開けて飲んだ。
 レナータは緑川が何か言うまでそのままの姿勢でいるつもりだったらしく、ワインを飲む音を何度も聞きながら、動かず静かにしていた。早くも狂った緑川は、独特な興味に駆られ、レナータの息に合わせて開くつぼんだ口へ、大人の力でいきなり指を思い切り突き入れた。レナータは頭を跳ね上げ気を失った。指はそのままに、緑川は飲み続けた。そしてそのレナータを抱き起こすと、膝に乗せて抱きしめた。ぐったりと力の抜けたレナータは、まさに「お人形さん」のように愛らしかった。
 
 緑川の胸の上でレナータは目を覚ました。いつ眠ったのかしらと思い出そうとしてもできなかった。たまらなくトイレに行きたくなって起き上がろうとしたとき、緑川の指に気づいても、レナータはそれを平気で外し、立っていった。
 用を足してきたレナータは、寝ている緑川を見ながら、緑川の飲み残したグラスを空け、新しく注いで飲んだ。この人は本当に自分のことが必要なんだと思い、できれば家を出て一緒に暮らしたいと切なく願った。緑川を虐待者と捉えるなら、レナータのこんな気持ちに心理学では何か名前がついていることだろう。
 レナータの母は日本人だった。けれどもほとんど家にいないばかりか、酔っての朝帰りにはレナータが起きるほど悪態をつ
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