曹操聖女伝第4章
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な事になっているとはつゆ知らぬ曹嵩父子は曹操との再会を楽しみにしていた。
「早くお姉ちゃんに逢いたいな。別れてからもう3年だもんな」
「儂も早く曹操達に逢いたいわい。さぞ立派になっておるじゃろうて」
其処へ陶謙軍と常昊が率いる小凶の群れが近付いて来た。
「なんじゃありゃ?」
曹徳は楽観的な事を言った。
「きっとお姉ちゃんが差し向けた出迎えの兵士達ですよ」
しかし、陶謙の無機質なガラスの様な力無き目を見た途端、自分達が邪悪な何かの襲撃を受けている事に気付く。
「いかん!早く逃げるのだ曹徳!」
だが……既に遅かった。邪凶と陶謙軍の悪質な一撃は曹徳の命を奪い、曹嵩とその取り巻きを無残に惨殺した。
曹操は曹嵩父子の訃報を聞き、声も無くその手にした七星剣を落したと言う。
「必ず……必ず陶謙を討つ!徐州中の邪凶を復讐の炎で焼き尽くす!この恨みを晴らさで擱くものか!」
曹操は袁術追撃を中止し、直ちに陶謙軍追撃を強行した。
復讐に燃える曹操軍の侵攻は凄まじく、陶謙から10を超える城を奪い、彭城での戦いで陶謙軍に大勝し、通過した地域で多数の邪凶を虐殺したという。
無数の邪凶の死体のため泗水の流れが堰き止められ、その死臭によって徐州の民は次々と異常をきたした。
因みに、人間に転生した魔王そのA配下の邪凶・常昊が陶謙軍として戦ったが、
「ハハハ、気分は如何だ曹―――」
「消えろ!」
「あっぎゃぁーーーーー!」
曹操は常昊の口上を聴きとる前に常昊を斬り捨ててしまった。
その後も曹操は、敗走して城に立てこもった陶謙を攻め続けたが、翌年の春、兵糧不足の為に?城に退却した。
「では、また徐州に?」
「陶謙の命を絶たねば私の恨みは治まらぬ!」
復讐の鬼と化した曹操を張?が諌める。
「心中はお察しするが、仇討の為にこれ以上殺戮を繰り返せば、お前の名が地に堕ちるぞ」
曹操が怒鳴り散らす。
「私怨だと?今が徐州攻略の好機である事が貴様には判らんのか!それでよく太守が務まるな!」
と言いかけて、自分の論理に破綻がある事に気付いて、言葉を紡げなくなる。
「……すまん……言い過ぎた」
少しだけ冷静になる曹操。
「荀ケと程cにはこの城の留守を任せる。顕聖殿は東郡太守として濮陽に、趙公明殿は残りの兵を率いて東郡に駐屯せよ!」
こうして、曹操は2度目の徐州攻略に向かったのだが……。
その頃、人間に転生した魔王そのAは陶謙軍の不甲斐無さに腹が立っていた。配下の邪凶・常昊もまた曹操軍の徐州攻略に巻き込まれて死亡していたのだ。
「なんだよ使えないなー!これじゃー曹操に裏切りの烙印を捺させたミーンが 無くなってしまうじゃないか!」
其処へ1匹の邪凶がやって来た。名は陳宮(字は公台)。策謀を得意とする中凶クラスの邪凶だ。
「いいえ、陶謙
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