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曹操聖女伝
曹操聖女伝第4章
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い!」
曹操の渾身の一撃が呂布を1m程吹き飛ばした。これを好機と見た荀ケが号令をかける。
「全員で呂布にかかれ!呂布さえ片付ければ、後は如何って事は無い!」
どうやら、曹操と呂布との戦いに手を出すなと言う命令に対して遂に我慢でき無くなった様だ。そして、我慢できなくなった男がもう1人いた。
「待て!この典韋様が相手だ!」
曹操軍の全員が、八方から呂布目掛けて殺到する。
「どうやら、俺だけに的を絞った様だな。今日はこれまでにした方が良さそうだ。また会うぞ曹操!」
そう言うと、口笛を吹いて愛用の赤い重種馬・赤兎馬を呼んだ。
「赤兎馬、頼むぞ!」
と赤兎馬に声をかけ、曹操軍の囲みを破って逃走した。
「待てコラー!」
典韋が必死でそれを追うが、とても追いつけなかった。

同年夏には鉅野を攻めて薛蘭や李封を撃破し、救援に現れた呂布を敗走させた。
呂布は陳宮ら一万と合流して再度来襲してきたが、この時曹操軍はみな麦刈りに出向いて手薄だったので、曹操は急遽軍勢をかき集めると、伏兵を用いて呂布軍を大破した。呂布は車冑を頼って落ち延びた。
同年8月、張超は雍丘に籠城し、曹操の猛攻撃にも懸命に防戦した。しかし同年12月、ついに雍丘が陥落したため張超は自殺に追い込まれてしまった。
同年秋、根拠地の?州を全て奪還した曹操は、?州牧に任命された。張?は袁術に援軍を求めに向かったが、部下に捕らえられてしまう。
曹操は張?の家族は勿論、本人も許すか許すまいか迷う。
しかし、張?は厳しい現実を突きつけるかのように言い放つ。
「私を処刑して、軍法を明らかにすべきだ」
張?の覚悟を知った曹操は涙ながらにこう言った。
「天下を治める者は人の親を殺したり、祭祀を途絶えさせたりしないものだ」
曹操は涙ながらに刑場に向かう張?を見送った。しかし張?は振り向かなかったという。
(皮肉なものだな。裏切り者の俺が、遂には部下に裏切られて命を落とす事になろうとは……笑ってくれ……曹操)
これを見た典韋は大泣きした。
「うわあーーーん!辛いよう!曹操様も張?様も悲しすぎるーーー!」
曹操は精一杯の虚勢を張りながらこう述べた。
「これが戦いというモノなのだ。たとえ父弟を失い、友を失おうとも、私は戦いを辞める訳にはいかん!この覇王の道をひたすら突き進むのみ!」
曹操は張?の三族(父母・兄弟・実子と養子)を引き取って厚遇し、娘も嫁ぐまで面倒を看たのだった。

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