曹操聖女伝第4章
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将軍に任じ、温侯に封じた。
その為に彼らの反発を招き、特に有力だった李?(字は稚然)・郭(字は阿多)の2人によって長安を攻められた。頼みの綱だった呂布は曹操が長安に迫っていると言う誤報に踊らされて明後日の方向に行ってしまい、王允は早々と敗北した。だが、王允は最期まで逃げなかった。
「国家の安定が、私の願いでした。これが達成されないとあれば、命を捨てるまでのことです。朝廷では幼い陛下が私だけを頼りにしているのです。この期に及んで一人助かるなどは、とても私にはできません。どうか関東の諸侯によろしくお願いします。天下のことを忘れないようにと、お伝えください」
これが王允の最期の言葉であった。享年57歳。
結果、李?と郭は長安を制圧し、今上帝・劉協を擁立して傀儡政治を行った。結局、董卓の時代と変わらない状態に戻ってしまった。
そんな中、藤色のツインテールをなびかせた前髪で目を隠しているのが特徴の美少女が必死になって逃走していた。董卓の孫娘の董白である。長安・?に居た董旻、董?をはじめとする董卓の一族は、全員が呂布の部下や袁一族の縁者らの手によって殺害され、90歳になる董卓の母親も殺された。故に董卓の孫娘である董白もまた反董卓派の文官達に命を狙われていると見て間違いない。
董白は一応邪凶の力を使えるが、簪も挿していない(成人していない)せいかまだまだ小凶クラスで、追っ手を追い払うには完全に力不足である。だから逃げるのだ。
だが、10歳の少女が出来る事は限られている。あっさり捕まり、追っ手の斬撃が董白に振り下ろされようとしていた。
「や、やめてください!わ、わ、私は渭陽君の―――」
「それは既に過去の話だ。それに、董卓の旧部下達を厳しく処罰せよとの王允様の命を受けておる」
「だ、だからって、わ、私は見ての通り簪も挿していない―――」
「生憎だが、董卓の一族と言う理由だけで90歳の老人が斬首されたのだ。もう手遅れなのだよ」
「やめてーーーーー!」
だがしかし……余りの恐怖で火事場の馬鹿力が発動し、董白は一気に小凶クラスから魔王クラスへとランクアップした。
「う、うわぁーーーーー!」
「な、何だ!?」
いくら相手が10歳の少女でも魔王クラスの邪凶相手では裏方役の仕事しか貰えない人間に勝ち目は無い。
2つの祭玉が董白に近付いて来た。まるで主人を心配する小犬の様に。
「こ、この力は御爺様が私に力を与えてくれたの?」
これなら勝てると確信した董白は、なぜ王允が董卓に勝てたのか聞き出そうとした。
「こ、こ、答えなさい!?なぜ王允は御爺様を殺したのか!?」
本当は内気で引っ込み思案な性格だが、董卓の孫娘として恥ずかしくない様に必死に強気なフリをする董白。
だがやはり内気でおどおどする性格が見え隠れするのか、追っ手は完全に董白を嘗めて
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