DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十五話
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人。
コクトである。うめき声の様な声を発すると、彼は目を見開いて叫んだ。
「馬鹿な……ッ!なぜこの剣がここに……?そんな馬鹿な、まさか……まさか……!?」
「その”まさか”だよ、元相棒」
ふいに、声がした。どこから聞こえてきたのかと見回せば、一本道だと思っていた《白亜宮》の風景には、立橋にもにた通路が出現していた。その上に、二人の姿。
片方は、少し長めの髪に、ALOのセモンの物と似通った、和装コートとでもいうべき代物、そして鈍色の具足を身に付けた男だった。年齢はコクトやラーヴェイと同じほどに見える。その横には二本の長剣が、あたかもシャノンの《ビット》の様に浮遊している。先の攻撃は彼によるものだろう。
もう一人は、丸い髪型、丸い顔の、穏やかそうな少年だった。魔術師めいたローブに身を包み、ふわりとした笑みを浮かべてはいるが、しかしその眼だけは計算高く光っている。
「よう、兎の。久しぶりじゃねぇか。金色のはどうした?……まぁ、大方《六王神》に叩き潰されたって所か……つまんねぇな」
「黙れウォルギル!貴様……何故ここにいる!?半年近くログアウトしてこないと思えば、貴様……《白亜宮》についていたというのか!?」
どうやらウォルギルと言うのが、和装の男の名前の様だった。そしてコクトの口ぶりから察するに、彼はセモン達と同じ《適合者》の様だった。
「ウォルギル……ウォルギル?」
その名前を聞き、はっ、とした表情をハクガがとる。同時にセモンも、その名前に聞き覚えがあることを思い出す。
「まさか……僕達の前にこの世界でテスターをやっていた、《師匠世代》最後の一人?そう言えば、半年前の師匠世代《白亜宮》侵入を皮切りに戻ってきていないと聞きましたが……彼がそうなのですか?」
ハクガの問いかけに、コクトは苦虫をかみつぶしたような表情で答える。
「そうだ。奴は《師匠世代》最後の一人にして、お前たちがテスターになる三か月前……セモンからすれば半年前まで、俺達と共に戦っていたメンバーだ。《ボルボロ》からの古参ではなく、新規参加したメンバーだから、セモンとは顔なじみがない数少ないメンバーだな……カズに俺、ハクガにハクア、リーリュウにシリューレが付いたように……本来なら、奴はセモンの《師匠》格になるはずだった」
「え……」
あの男が、本来なら自分の《師匠》になるはずだった……?
「だが奴はログアウトしてこず、結局セモンには師匠格を付けないことになった。セモンの招集がカズ達より三か月遅れたのは、奴がログアウトしてくるのを待つためだった。だが……それが、なぜこんなところに……!?」
最後は叫びながら、ウォルギルを睨み付けるコクト。
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