DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十五話
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とに、カズのノートゥング、リーリュウの《冥刀》、《岩覇蒼炎》の傷も癒えていた。
「く、く、く。なに、恐れることはない、少年たち。なぜならばそれは今感ずるべきものではないからだ」
その声に続くように、真っ白だった空間に、渦巻く円が出現する。扉にも見えるそれは、SAO時代に、アインクラッド各層の主街区にあった、《転移門》によく似ているように見えた。ただ、アインクラッドの転移門が青白い光を放っていたのに対し、こちらは禍々しい漆黒だ。
そしてそのゲートから、どぷり、と水がこぼれるように、何者かが姿を現す。闇はすぐに形を取る。
出現したのは、海のそれとも、空のそれとも違う不思議な青色をした髪をもつ、恐ろしく美しい少女だった。どこか気取った演者の様な表情に、切れ長の瞳は紅蓮い。肌の色は雪の様な白。纏っているのは、放浪者の様なぼろぼろの、漆黒のローブだった。錬金術師、という言葉が、なぜかセモンの脳裏に浮かんだ。
「挨拶が遅れた。私は、我が尊き兄より、《七眷王》の一角を担うことを許された者、ノイゾ・イクス・アギオンス・レギオンビショップだ。以後、貴殿らの記憶に残ることを願うよ」
そしてやはり演技めいた仕草で礼をする少女――――ノイゾ。
「俺達を此処に落とし、傷をいやしたのはあんたか?」
「いかにも。我が兄がそうお望みになさったのでね」
リーリュウの問いに、ノイゾは答える。その間も、演技めいた表情は消えない。どことなくこちらの神経を逆なでするような表情だが、これがこの少女の自然体なのだろう。
「……僕達を助けてくれた、というわけではないようですね」
「ふむ。そうかもしれんな。最終的には我が兄が結末を決めることとなるが――――まぁ、貴殿たちを救ったのは全て我が兄がそう臨んだからだ、という事を忘れるな。そして今後――――お前たちがどうなるのかも、我が兄の気まぐれだ」
今までの多少敬意のこもった『貴殿』は消えた。ノイゾの姿が掻き消える。瞬きの間には、漆黒のゲートが消えていた。
反射的に一歩踏み出すカズ。
「あ、おい、待て!……ってうわぁ!?」
直後、彼は悲鳴を上げて飛びのいた。直前までカズがいた所を、何かが高速で通過したためだ。
ガィン!という鈍い音を立てて、純白の地面に突き立ったソレは――――一本の、剣だった。
古風で少し和風チックなデザインのその長剣は、どことなくSAO時代のセモンの愛剣、《草薙の剣》や《天叢雲剣》に似ていた。
「これは……?」
いぶかしげにそれに近づくハクガ。そしてそれと同時に、最近めっきり板についてきた驚愕の表情を取る人物が一
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