彼らの名は
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この前一緒の馬に乗ったからって調子のんな!」
「そういえば……てめぇだけいい思いしてやがったよなぁ? てめぇらも楽しそうにしやがって……俺は複雑な心境だってのによぉ」
「鳳統様が御大将と結ばれたからって、くくっ、拗ねるなよ」
「分かってるよ! 鳳統様を応援する会の会員としては嬉しいんだ! だけど、なんかもやもやする!」
「うっわ、お前……御大将みたく幼女趣味だって言われてぇのか」
「……それは、いやだな。前も貧乳の良さについて延々と語られたし」
「あ、俺もそれ聞いてたぜ。貧乳はすてぇたすだ、希少価値だなんだと言ってたが……ハハッ、ありゃあ末期だな」
「ちげぇねぇ。でも中々面白かったぜ? 前のろりきょにゅぅ談義も熱かったしな」
笑い声を交えて、まるで平穏な日常にいるかのように彼らは楽しく会話を行いはじめた。
その様子に文醜は呆気にとられた。家族もいて、楽しい日常も知っている。それでも彼らはその場を動こうとしないのだ。
もう彼女は何も言う事が出来なかった。彼らには何を言っても無駄なのだと理解してしまった。
忠義の心は理解できる。それでも、泥を啜ってでも生き残れば……そう考えてしまうのも詮無きこと。
幾分後、大きな音を立てて橋が傾き、徐晃隊がたたらを踏む。ギシギシと橋が鳴り響く音は誰しもに限界を感じさせた。
ピタリと会話を止めた徐晃隊は橋の前で見やる文醜と目を合わせて行く。
「戦えたのがあんたでよかったぜ。気遣ってくれてありがとよ」
「気にすんな。俺らは幸せだ。そりゃあ家族を残していくのは辛いけどよ」
「御大将が守ってくれる。もう戦が起こらない平穏な世にしてくれる」
「ここで見逃されて逃げ出したら、死んだ奴等にも合わせる顔がねぇ」
「それと俺らだって無駄に殺すわけじゃねぇのさ。出来るなら、兵士なんざやめて楽しく暮らせよ袁紹軍」
静かに、満ち足りた声で、彼らは文醜達に言葉を投げた。
うんうんと頷いて、副長はゆっくりと双剣を天に掲げる。
続くように、徐晃隊の全てが剣を掲げて行く。
満面の笑み、爛々と輝く子供のような瞳は……少しだけ潤んでいた。
「さあて、これで俺らは命令を遣り切った。だから……勝鬨を上げようぜ!」
『応っ』
その姿を目に焼き付けようと、文醜は彼らを見つめ続けた。
自身の心に刻みつけて、その生き様を見届けてやれるようにと。
大きく息を吸った副長は、彼のように不敵に笑って、野太く大きな声を張り上げた。
「我ら黒麒麟の身体、想いを繋ぐモノを守り切った! 彼が天からの御使いであるならば、天に響けよ我らが想い! 謳え! 我らの想いは彼と共に! 乱世に華を! 世に平穏を!」
『乱世に華を! 世に平穏を!』
何度も何度も、彼らは叫び続けた。笑顔を浮かべ
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