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覇王と修羅王
合宿編
十三話
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レクこそどうなんだよ!?」
「当然ある」

 あるんだ……、とエリオは呆けるが、何処となく安心してしまった。やはり、男の子はそういう所があって当然なんだ、と。エリオも色々とヤバイ時がけっこうあったのだ。
 ただ、手は出していないので、アレクが何やらかしたのか、男としては非常に気になってしまった。

「……何やったの?」
「何って、独断身体検査に決まってんがな」
「……どんな?」
「主に胸部検査。偶にうたた寝するから、ベッドに寝かせるついでにやってる。あいつ、まだブラしてないからけっこう分かりやすいし」
「……そう、なんだ……」

 よく素面で言えるな、とエリオは思いつつもその場面を想像してしまい、顔を赤くさせる。
 しかし、此処まで聞いてしまったのなら、此方も言わなければならないのだろうか。そんな軽く揺れる思考の所為か、次の言葉と表現に口を滑らしてしまう。

「ちなみに、標高はこんぐらい」
「え、キャロより大きい……」
「なぬっ!?」
「……あっ!」

 エリオは顔を背け急ぎ口を塞ぐが、漏れた言葉は戻らない。もう何を言っても、取り返しがつかないだろう。
 いや、アレクも色々暴露してるし、開き直って全部吐き出してしまおうか。恐らく、アレクが故意にバラす事は無いだろう。
 これは真の同士にさせる為の試練。そう己に言い聞かせて向き直る。

「エリオ……」
「……うん。故意じゃないんけど……」
「十四歳であいつより小さいって、キャロロさんヤバくね?」
「実は僕も――――ってそっち!?」
「当たり前だろ、男としては」

 エリオが色々覚悟を決めて暴露しようとしたが、アレクの興味はもう他へと移っていた。
 どうせムッツリエロオはラッキースケベで事故処理だろ、とアレクは大まかに当たりをつけていたのでもう興味が無い。ムッツリ男の事より女の胸の方が断然面白いし、興味をそそられる。

「俺的に将来発展は絶望的だと思うんだけど、エリオ的にはどーよ」
「それは……その、身長とかもちょっと可哀そうかな……とは思うんだけど」
「あ〜……やっぱりか。でも可哀そうってことは、エリオは大きい方が好み?」
「う、……僕はもう少しくらいキャロが色々大きくなってくれたら悩まないと思ってるだけで……アレクは?」
「無いより有った方が良いに決まってる。……キャロロさん本人はどう思ってるんかねぇ」
「……今の所は身長の方が気になってるみたいだけど……どうなんだろう」

 実際の所、キャロは何処まで育つのだろうか。将来を想像してみるが、スラリと背も伸びて祝福された実りが……二人揃って全く浮かばない。精々もう1.5cmくらい伸びたくらいで今と対して変わらない姿しか浮かばない。

「キャロは、幼い時に放浪させられたから……」

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