合宿編
十三話
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スターズ戦が終わり、次いで始まった魔法訓練やフィジカルトレーニング。
基礎に基礎を繰り返した土台作りは後の資本となることはアインハルトも重々承知だが、かなり高密度だ。それも休まず動き続けている様から、長期に渡って行ってきた事が窺える。
だが、何故鍛えるかは訊くまでもない。後悔したくない為、苦しませたくない為、そして思いを成したい為に決まっているのだ。
そんな姿を見ていると、身体が疼いてくる。
「アインハルトさん、こういうの見てると身体動かしたくなりません?」
「あ、はい……」
「よかったら、見学抜けて向こうで軽く一本やりませんか?」
「……是非、お願いします」
アインハルトはヴィヴィオの誘いに頷く。そしてアレクの方を見るが、訓練観察に集中してるようなので、声を掛けず離れて行った。
二人の姿を見送ると、ルーテシアが思い出したように手を打った。
「あ、そうだコロナ。内緒にしてたけど、例のアレもう完成してるんだ」
「え、ほんと!?」
「ほんと。あとはコロナが起動調整するだけだから、今の中にやっちゃおうか?」
「うん、するする!」
「ってな訳で、私達もちょっと抜けるね」
「ん、おう……?」
ノーヴェは続いて抜けて行くルーテシアとコロナを見送りながら頭を捻る。コロナのはしゃぎ様から何か相当なものだと判るが、いったいなんだろうか。
同じく見送ったリオに視線をやると、疑問を抱いてないことから何か知ってそうだ。
「リオ、何か知ってるのか?」
「たぶんコロナのデバイスだと思います。作ってもらってるって言ってましたし」
「へぇ、お嬢が……」
眼下で使われているレイヤー建造物にアスレチックフィールド、加えてロッジの設計にデバイス作成、それに温泉掘ったとか言ってた気も……。
多方面に才能を持ち合せているな、とノーヴェは感嘆するように呟いた。
「で、リオはどうする?」
「えーと、そうですね〜……」
ノーヴェの問いにリオは少し考える。
このまま訓練風景を見ていてもいいが、やはり格闘技をやってる者としては身体を動かしたい。ノーヴェに頼めば相手をしてくれるだろうが、ヴィヴィオのように違う相手ともやってみたい。
チラリと未だ訓練風景から目を離さないアレクを見る。必殺げしゅぺんパンチは出し惜しみか、と何か分からない事を呟いているが、疼いているようにも見える。
「ねえねえアレクさん。あたし達もスパーとかしませんかー?」
「ぬ? 何ゆえスパー? 他に相手してもらえば――――って、何時の間にか殆んど居ねえな」
「そうですよ。だから相手してくださいよー。ヴィヴィオとだけなんてズルいですー」
「……そこに親身なコーチ殿が居られるような?」
「あたしは今のうちに片付けておき
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