【05】繋いだ望み
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「さて、どうかな、タラン君」
あの後、間もなくもう1人ガミラスの人間がこの温室を訪れた。
彼が、総統閣下の呼んだタラン、なのだろう。
私は彼の前で、もう一度、先ほどの話をした。
地球とガミラスの、密にあるはずの関係を。
「今この場で、正式な回答を申し上げることは、叶いませんが」
「かまわんよ」
「…説得力のある、仮説であることは間違いありません」
タランの言葉に目をつむり口元に笑みを浮かべる総統閣下。
私はさながら、死刑宣告を待つ死刑囚の面持ち、そのものだろう。
「では、彼女のDNA情報とやらの調査を頼もう。審判はその時に」
「はっ!」
「では失礼しよう、テロンの女性よ」
「えぇ。では、また」
「ふ…そうだな」
総統閣下は最後まで微笑みながら、この場を後にした。
彼の姿が見えなくなり、私は安堵からか膝の力が抜けてしまった。
「貴様の度胸も、なかなかの物のようだな」
「…光栄だわ」
腕を引いて立たせてくれたのは、メルダだった。
私が苦笑を浮かべれば、彼女も笑みを浮かべた。
「貴様といいあのパイロットといい、テロンの女は面白い」
「わしは肝が冷えたぞ」
総統閣下を見送ったディッツが温室に戻ってくる。
彼には本当に、感謝してもしきれない。
「おかげさまで、何とか我々の命も繋がりそうです」
「勘違いをするな。総統閣下のご判断だ」
「えぇ、承知しております」
けれども彼は、私の持ってきた情報を握りつぶすこと無く、総統閣下へと進言する機会まで与えてくれた。
「ですが、感謝しております」
「…これで、娘に関する借りは無しだ」
「元より、貸しになど思っておりません。我々地球人にとっては」
「貴様らの上層部以外は、か」
「…結局、政治パフォーマンスの為に苦しめられるのは我々だと言うことです」
「ふ…どこの星も同じか」
「えぇ。本当に、進歩の無い」
互いの言葉に苦笑を禁じ得ない。
あぁ…なぜだろう。
いつ捕縛され殺されてもおかしくないこの状況で、こんなにも穏やかに笑えるなんて。
ヤマトに乗っていた頃には、考えもしなかったのに。
「私の審判は、いつ頃決まるのでしょうか」
「タランの話では3日もあれば十分だと言っておった」
「3日」
「それまで、貴様の身柄は私が預かることになった」
「それは」
「総統閣下のご判断だ」
「ありがたいことです」
私の、地球の命運が決まるまで、
後3日。
「ディッツ提督、一つ、お尋ねしたいことが」
「なんだ」
「総統閣下のお名前、お尋ねしてもよろしいでしょうか」
「あぁ…アベルト・デスラー閣下だ」
「アベルト・デスラー」
「不敬だぞ」
「もちろん、総統閣下と呼ばせていただ
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