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星を継ぐヤマト
【02】出立

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「なぜ、貴様を連れて行くことが解放の条件なんだ」
「細かいことは考えない方がいいわよ」
「…ふん」

知らなかったな。
戦闘機がこんなにも狭く、そしてGのかかる乗り物だっただなんて。







艦長とのミーティングの後、私は使者として、ガミラスへと赴く許可を勝ち取った。
もちろん、艦内のクルーたちには内密に。
私が離艦後の騒動を押さえる為と、副長と佐渡先生にだけは、私の口から説明するようにと指令を受けたが。

これがまた大変だった。
特に佐渡先生が。

「女の身でお前さん1人がガミラスへ行くなぞもってのほかじゃ!!!」

その怒鳴り声はスゴく嬉しいんだけど、でもそんなこと言っている場合じゃない。
艦はこのままイスカンダルを目指す。
私はガミラスへと赴き、なんとかヤマトへ対する攻撃の停止を訴える。
残された時間の少ない私たちに出来ることは少ない。
だからこそ、やれることは全てやっておかなくては。

「…まもなく合流する」
「えぇ」

この行動が吉と出るか凶と出るか。
まぁ、当たって砕けろ、しかないでしょ。









「銀河方面軍第707航空団所属、メルダ・ディッツ少尉」

どうやら彼女の復帰は、一般の兵よりも遥かに歓迎されるものらしい。
それとも、これがガミラス流なのだろうか?

「ディッツ少尉、この者は」
「テロンからの使者だ」
「テロンの!?」

溢れる殺気と向けられた銃口。
こんなとろで死ぬわけにはいかない、と前を見据えると、紫色の腕が伸びた。

「止めなさい」
「なにを!」
「彼女は正式な使者として、私がお連れした。攻撃、及び拘束することは許されない」
「しかし少尉!」
「これは、沈没した我が艦の艦長からの最後の任だ」

最後は彼女の気迫に押された形になった。
私は使者として、歓迎はされずともガミラス星までこの艦に乗艦することを認められた。
まずは、第一歩。

「お前は何を企んでいるんだ」

彼女、メルダの手配で、私にも翻訳機を付けさせてもらえた。
そのおかげで、艦内の人間たちが私になんと言っているのかも筒抜けにはなってしまったが。

「双方に、利なること」
「貴様らの利が我が帝国の利になるだと?」
「えぇ」

その為にも、私は会わなければならない。

「あなたの星の、トップに会わせて欲しい」
「総統に?」
「えぇ、総統に」

私がヤマトの、いえ、地球の為に出来る戦いは、これからが本番だ。



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