Episode4 それぞれの想い
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手に持った短剣で骸骨の戦士を擦り抜けながら斬り裂く。そして、骸骨を一歩分擦り抜けたところで、左足でブレーキを掛け、そのままモンスターに向かって地面を蹴る。その際、逆手に持っていた短剣を順手に持ち替えていた。
「はぁっ!」
四連続攻撃のソードスキルが、骸骨の背中に吸い込まれていく。あたしの鍛えた武器が青いエフェクトを纏い、四本の線を描く。全ての剣戟が背中に命中し、攻撃を受けたモンスターは、その衝撃により三歩ほど進み踏みとどまる。
「ゴォー!」
モンスターは低い唸り声を上げながら振り返り、ターゲットをシンへ変更する。そして、槍を構えソードスキルを発動させた。突進技がシンを貫こうとするが、すでにシンは、その攻撃軌道上から左に一歩分位置を移動していた。それにより、誰も居ない空間をモンスターは突き進むことに。
「はっ!」
硬直状態で無防備なモンスターに、シンは三連続攻撃のソートスキルを放つ。その後も、戦闘のペースはシンが握りっぱなしだった。基本相手の攻撃を見切り、相手の技後硬直時間や隙を逃さず、攻撃を確実に命中させていくといった、戦闘スタイルだ。
(あれ?)
そこで、あたしはあることに気がついた。シンの攻撃は無駄がなく、繰り出される攻撃全てが、確実に相手のHPを減らしていく。なのに、相手のHPはそれほど減っていない。
(シンって、スピード系って言っていたけど、もしかして、筋力値全然上げてないのかな?)
でも、その考えはすぐに否定した。あたしの鍛えた短剣。スピード系でかなりの軽量であり、攻撃力の補正はあまり期待できないのだが、決して低くはない。あたしの鍛えた武器は高いステータスを要求するので、スピード系とはいえ、やはりそれなりに筋力値も要求する。現に今それを使用し、戦闘を行っているから、敏捷一極型ってわけでもない。
(それに、スピード系っていうわりには、そこまで速くないような……)
あたしは腕を組みながら、勝手に一人でシンのことについて、議論しているところに―――
「リズさん、スイッチお願いします!」
「えっ?」
その後、なんとかスイッチして、モンスターに止めを刺した。それよりも、シンに何か言われるかもと、内心ヒヤヒヤしていたのだが……。まぁ、結果からいうと、色々言われたんだけどね……。
最初の戦闘が終わってからも、何回かモンスターとエンカウントしたが、そのどれをとっても、やはり同じ結論に行き着いてしまう。
(ん〜。やっぱり、レベルはあたしのほうが上よね)
だけど、シンには凄いと思う点もあった。まずは、戦闘のうまさだ。あたしのような頻繁に戦闘をしない人の目から見てもそう感じた。反応速度がずば抜けているとか、反射神経が優れているとかじゃない。う
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