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『曹徳の奮闘記』改訂版
第二十二話
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「その……助けてくれてありがとう……。怪我は大丈夫か?」

 ……何かモジモジとしているけど、可愛いな……。

「あぁ大丈夫だ。孫権が無事なら怪我の一つや二つくらい平気だよ」

「そ、そう……」

 ……あれ? 今、フラグが立ったような……気のせいか。

ジャーンッ!!ジャーンッ!!

「蓮華様ッ!!」

 そこへ周泰が現れた。

「黄巾軍は壊滅しましたッ!! しかし、敵将である張三兄弟は油を被り火を付けて自決したようですッ!!」

「周泰。それは誰か見たのか?」

 俺は周泰に尋ねる。

「は、夏侯淵様が確認したようです。ですが、死体は黒焦げでどれかは判別が不可能のようです」

 ……多分生きているな。

「……そうか。なら俺達は主力部隊と合流するか。凪、悪いけど肩貸してくれ」

「あ、はい」

 凪が俺の左腕を触ろうとした時、孫権が俺の左腕を取って、自分の肩に回した。

「そ、孫権?」

「……借りは作りたくないからな」

「……ならお言葉に甘えるよ孫権」

「……蓮華だ。之からはそう呼べ」

「いいのか?」

「あぁ、私を助けてくれたんだ。言っておくが相応の意味でだからな」

 ……ツンデレ乙です。

 そして俺達は主力部隊と合流した。





「へぇ〜蓮華が真名を許すなんてねぇ〜。何なら長門、蓮華を貰ってもいいわよ?」

「か、母様ッ!!」

 夏蓮が蓮華を茶化しながら笑い、蓮華が顔を真っ赤にしながら怒る。

 まぁ、後で孫策にも茶化されるのだが……。

 討伐部隊は張三兄弟が自決した事により、解散となった。

「夏蓮様、我等と同盟を結びませぬか?」

 合同軍儀で霞が解散を宣言をして、自軍へ帰る途中に美羽が夏蓮に言う。

「えぇいいわ」

 夏蓮は即答した。

「そんなに簡単でいいのか?」

「いいのよ。『同盟を結んだ方がいい』と私の感も言ってるしね」

「夏蓮殿……」

 夏蓮の隣で周瑜が頭を押さえながら溜め息を吐いた。

 こうして、漢王朝を震わせた黄巾賊の乱は終わりを告げた。







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