第六十一話 日本シリーズその十五
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「だから先生も皆が真面目に練習していたらアドバイスはしても怒らないでしょ」
「はい、下手でも」
「そうですね」
「動きが悪いからって言って殴ったり蹴ったりすることは論外よ」
日本の学校ではままあることだ、一般社会ならこれだけで懲戒免職になるがそうはならないのが日本の教育である。日本の教育は教師の不祥事には極めて寛容なのだ。その為問題のある教師が何時までも残るのだ。
「そんな先生からは離れることよ」
「碌なことにならないからですね」
「そうよ」
まさにその通りだというのだ。
「そんな先生のところだと幾ら素晴らしいことをする部活でもね」
「駄目なんですね」
「そうなるんですね」
「碌でもない教師は碌なことをしないわよ」
行動は人格が形成する、人格がおかしな人間がまともな行動をする筈がない。
「それで怪我とかしたら嫌でしょ」
「はい、そんな先生に何かされるのは」
「絶対に嫌です」
「おかしな先生は避けるの」
これは絶対にというのだ。
「近寄ったら駄目よ」
「ううん、先生次第なんですね」
「部活も」
「大きいわよ」
教師の存在は実際にだというのだ。
「だから気をつけるのよ」
「はい、わかりました」
「気をつけます」
生徒達も先生の言葉に頷く。そして先生は自分の教え子達のそれを見てこうも言った。
「駄目監督、駄目フロントは耐えるしかなくて駄目政治家は選ばないことよ」
「それでおかしな先生はですね」
「その先生はですね」
「避けることよ」
そうしろというのだ。
「災害だからね、まさに」
「駄目な先生はですか」
「災害ですか」
「そうよ」
それに他ならないというのだ。
「担任になっても出来るだけね」
「近寄らないことですね」
「それが大事ですね」
「そうよ、災害に自分から近付いたらよくないからね」
人災にしてもそうだというのだ、近寄っては己の為にならないというのだ。
「好きになろうとか好かれようとかはね」
「思ったら駄目ですか」
「そうした先生には」
「おかしな人は何処にでもいるけれどおかしな人はね」
まさにだというのだ。
「何時どうしてくるかわからないから」
「それってあれですよね」
生徒の一人がだ、先生のおかしな人間が何時どうしてくるかわからないという言葉を聞いてこう言ったのだった。
「ヤクザ屋さんみたいですね」
「そうよ、おかしな先生はヤクザ屋さんと同じよ」
「だからなんですね」
「しかもヤクザ屋さんは皆から嫌われていつも監視されてるわよね」
「はい、警察にも」
「だからちょっとしたことで捕まるけれど」
抜き打ちの捜査を受けたりもする、勿論そこで危険物だの違法の薬物だのが見つかれば現行犯逮捕である。
「それでも先生は違うから」
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