第一章 運命の始まり
第二話
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みだな」
キュアンは正に火に油を注ぐこととなってしまい。シグルドとエルトシャンはどちらの妹が可愛いかの争いになってしまったのであった。次の日には、元通りの仲の良い友人になっていたというのは補足でつけておこう。
ひと握りの人物達が、世の中を操る。それがこの世界の全てだった。それが変革されることはまだまだ先のことであろう。魔法が存在し、神の存在が近くに感じられる世界は、これまでに数々巡ってきた。ここもそんな世界とそう変わりない。
それに魔物と言えるものもほとんど存在せず、敵は人間だけというのも恵まれているほうだと思う。まぁ戦争がいいとは思わないが。
「ロキ、私今度のパーティはどんな服装でいったらいいと思う?」
「えー、俺に聞かれてもね。父上か母上に聞けばよろしいじゃないですか」
「あなたも可愛くなくなったわね。でもその通りね、子供にはまだ早かったわ」
「……姉さんも子供でしょうに」
「何か言った!!!」
「いえ、なにも。それじゃ、俺はやりたいことがあるから失礼します。お姉さま」
「ふん!」
一体、どんな大人になるのか心配になる。あんなに可愛いのに性格があのままだったら結婚も夢のまた夢のだろう。今度のパーティで少しでもそれが改善してくれるといいけど……はぁ、無理だろうな。
自室へと戻る途中、ふと書斎へと赴いた。父から既にいつでも好きな時に本を読んでいいという許可はもらっている。
「なんか……面白そうなのないかなぁー」
決して少ないとは言わないが、所詮は書斎程度であり本自体はあまり多くはない。お気に入りの本は何冊かあるが、それも読み飽き、新たなジャンルに挑戦しようかと考えていた。
そんなさなか、書斎の扉が開く音が聞こえた。
振り返れば、そこにいたのは我が国の大臣のメウスさん。頭がよく、父に対しての忠誠心は天井を突き抜けているレベルだ。難点は、デブハゲ……。惜しい惜しすぎるぞ、昔はかっこよかったと父と母は言っていたが現在はそんな有様である。
「これは王子様、なにかお探しのものでも?」
「うーん、新しく本を読んでみようと思ってね。なにか面白そうなものはあるかい?」
「そうですな……これなんかどうですか?」
そう言って手渡されたのは、ノディオンの歴史書だった。確かに読んだことはないし、とくだん歴史にも興味なかったが、読んでみることにするか。王子だし知っていても損はないだろう。
「歴史書か……どんなことが書いてあるの?」
「そうですなぁ、例えばこの国の生い立ちやクロスナイツの創設、それに魔剣ミストルティンを継承した際の話も載っていたと心得ますよ」
聞く限り悪くはなさそうだ。メウスにお礼を言うと
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