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打球は快音響かせて
高校2年
第十八話 不気味
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に駆けつけている。

「林ィー!頑張れよー!」
「柴田くーん!頑張ってー!」

野球部でない生徒もこの日は休日とあって、三年生を中心に大勢球場に駆けつけていた。
野球部だけだった初戦とは違い、応援席は相当の賑わいを見せている。

「…今日は盛り上がりそうですね」

人で埋まって行く応援席を見て、団長の翼がつぶやいた。

「…それも、グランドのあいつら次第やけどな」

牧野が目下シートノック中の自軍ナインを睨む。しょぼくれていた初戦とは違い、その顔はすっかり覇気を取り戻していた。

「応援で少しでも力になれるように」
「そうやな。ガンガン行くばい。」

2人は表情をさらに引き締めた。




ーーーーーーーーーーーーーー




「「「ヤーヤーヤー ヤーヤヤーヤー
レッツゴーヒトシ!!
ヤーヤーヤー ヤーヤヤーヤー
レッツゴーヒトシ!」」」

海洋応援席から「YAH YAH YAH」の大応援が鳴り響く。海洋側も、この日は吹奏楽部や他の部活を動員しての大応援である。

カーン!
「くそっ!」

バッターは打ち損じ、バットを叩きつけて悔しがる。勢いに押された打球が天高く上がり、外野手が落下点に入り手を上げる。白球はそのグラブの中に収まった。

「いいぞー!いいぞー!ヒーロミツ!」
「「「いいぞいいぞヒロミツ!いいぞいいぞヒロミツ!」」」

三龍側の応援席からは、フライを捕球した外野手に対しての声援が送られた。

鷹合の立ち上がりは、海洋の上位打線を三者凡退。得意の速球が良く決まり、海洋打線のバットを完全に押し込んでいた。
どうやらこの夏の鷹合は、本当に調子が良いようである。

「よっしゃあ!こいつらに勝たな意味あらへんさけな!」

ベンチに全力疾走で戻った鷹合は、その鼻息も荒い。昨秋は同じ御三家の一角、帝王大に大敗。今度こそは、の雪辱に燃えている。

(この球威がどこまで続くかは分かんねぇけど、案外何とかなるもんだな。帝王大の高垣や花岡クラスのパワーは無さそうだ。)

勝てるなどという安易な期待は抱いていなかった宮園も、今日の鷹合の真っ直ぐの走りには舌を巻いていた。何とか、勝負にはなりそうだ。
それくらいの手応えは感じた。



ーーーーーーーーーーーーー



「よーし、柴田さんだぞ!ウチの斬り込み隊長だ!」
「「「オオーーッ!!」」」
「勢い乗っていくぞー!」

立ち上がる事もままならない翼が、応援席に腰掛けながら叫び、吹奏楽部に向けて「夏祭り」というプレートを掲げる。ポクポクポク…というまるで木魚のようなリズムの後に、ゆっくりとしたイントロが奏でられ、それに合わせてスタンド組の
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