第3章
月光校庭のエクスカリバー
第56話 明日夏の憂鬱な、ドレイクの優雅な一日
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十四時間』
丸一日を要求してきやがった!
(……八時間!)
『十八時間!』
(十時間!!)
『十二時間、これ以上はビタ一門まけねえぜ!』
(………。……ちっ!分かった…午前十時から午後十時までの十二時間だ……)
『毎度あり〜♪』
……と言う感じで半日もドレイクに体を明け渡す事になった。
ちなみにドレイクが言った方法を行った結果、ドラゴンの腕なのは変わらないが見た目だけはなんとかなった。
ただし、定期的に行わないとすぐに見た目が戻ってしまうがな。
ただ最悪な事に、部長達にその方法を伝えた数時間後に兄貴から全く同じ方法の内容の電話が来た。
……なんとも言えない脱力感と空しさを感じたよ…。
つまり、事実上のギブアンドテイクのテイクしか行っていない事になってしまった。
……溜め息しか出ない。
ちなみにドレイクはその時、大爆笑をしていた。
『安心しろ。時間になったらちゃんと体を返すからよ』
それについてはそれほど心配はしていない。
ライザーの一件でこいつは自分に利益のある約束事は破らない奴だって言うのが分かったからだ。
ライザーの時の賭けはこいつにとって面白そうで実際に楽しめたから、今回は自由に活動できる機会があるからだ。
……俺が心配なのはこいつが俺の体で何をするか、だ。
こいつは自身を遊びドラゴンと自称するような奴だ。
……正直、何をしでかすか不安でしょうがない。
とは言え、こいつは約束を守っているのに俺は守らないって言うのもあれなので仕方がないが。
そうこうしている内に約束の時間が迫ってきた。
『んじゃ、ちょっくら借りるぜ♪』
(……あんまり羽目を外さないでくれよ…)
『へいへ〜い』
………不安だ……。
「う〜ん♪久々に肉体で活動できるぜ♪」
目の前で俺が嬉々とした表情で今の言葉を口にした。
現在、俺の肉体の主人格がドレイクになっていた。
ちなみに目の色が緋色になっていた。
俺の人格は神器(セイクリッド・ギア)内に存在している。
以前、ドレイクが俺の体を奪おうとした時は自分の人格が消えかける感覚があったが、今回はそう言うのは感じない。
あの時はドレイクが俺の人格を無理矢理に上書きしようとしたからそう感じたらしい。
今回は両者合同で人格を入れ替える要領でやった為、そのような感覚は感じなかった訳だ。
今の俺の視界に映る光景は、普段ドレイクが見ている光景と言う事になる。
「さてと、んじゃ服借りる…ってお前の体だから借りるってのは変か?」
なんて言いながら、俺の部屋のクローゼットを開ける。
外に出かける為の服装に着替える為だ。
「……おいおい!何だよこれ?地味な服ばっかだな!」
手持ちの服の文句を言われた。
確かに俺が所持している服は全て機能性重視でオシャレとは縁遠い物
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