第一章 運命の始まり
第一話
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なこと思いつつも俺は抱き上げられ、人から人に手渡され最後にヒゲを蓄えた男の下に。
『きっとお前の父親だぞとか母親だぞとか言ってるんだろうがわからん。とりあえず、泣いてこの場をやり過ごすんだ、そうしたらとりあえずおkだろ』
俗にいう転生というのでこの世に生まれ落ちた俺。前世では、いろいろあった。でも別段なんか思い残すこともなかったはずなんだが、なぜまた転生しているんだ?
考えてもしかたねぇ。時間が経てば分かるだろう、俺がここに来た理由ぐらい。
今世では、ロキと名付けられた人物はこれまでに散々転生を繰り返してきた。中には人ではない時もあった。なぜ彼がこんなにも呑気でいられるのか、それは経験で知っているのだ。いずれ神からの啓示を受け自分が立ち向かわなければならない運命があることを。
それだけ彼は転生というものを経験してきているのだ。本人にも覚えておくことができないくらいに、精々記憶として残っているのは前世の前世ぐらいであって、後は体に染み込んだ武器の使い方。それと、完璧なまでの処せ術。生きるために必要な知識。数えるくらいのものだ。
始まりは突然に。終わりも突然に。そんな言葉を元に生きる彼の元に、第一の神からの啓示として与えられたのは、3歳の時。偶然自室にて本を読んでいたとき、怪しまれないようにもちろん絵本だ。その隙間から封筒がひらりと舞った。そこにはロキがいなかった場合のこの世界の顛末と、今から自分が何をすればいいのかが書かれた便箋3枚にわたった手紙なのであった。
「なになに……嘘、エルト兄さん死んでしまうん! それからそれから、えっこれって、まずくない……アグストリア滅びるんかよ。しかも敵じゃなくて勇者によってとか洒落ならん。しかも勇者死ぬんかい、もうこの大陸悲惨すぎ。それで俺がすべきは……剣術の訓練と10歳になったら鉄の剣をもってマーファ城北の泉の岬に向かえとな、マーファ城ってどこだっけ……」
廊下から足音が聞こえてきた。しかも、歩いている音ではなく走っている音だ。俺は、焦りながらも瞬く間に手紙を本に挟みベッドの下に隠した。そして扉が開き、そこにいたのはラケシス姉さんなのであった。その顔はまるで人形のようであり、美しい。だが、まだ幼く女の子らしい愛嬌と可愛さがある。
「ロキ、遊ぶわよ!」
「待って、姉さん。眠いんだ」
「そんなに寝てたら、大臣みたいに太るわよ。あなたも嫌でしょデブは」
「それは、大臣に失礼だよ。でもわかった行くよ。それで何するの?」
「へへっ、それはね……」
ところ変わって、所謂会議室のような場所。そこでは、ノディオン王国の王子であるエルトシャンの士官学校への入学への話し合いが行われていた。
「父上、ということは私は
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