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ファイアーエムブレム 〜神々の系譜〜
第一章 運命の始まり
第一話
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「すべてが終わった。神々の戦い、ラグナロク。ようやく勝つことができたのだ……。だがなぜだ、我が義兄弟、ロキよ。なぜ我々は敵にならねばならんかった」

 「神と、巨人はそうなる運命だったのだ。オーディン……、すまなかった。そしてありがとう……」

 神々の戦いは、神々の王であるオーディンと巨人を率いるロキとの壮絶な戦いの末、オーディンが勝利した。まだ戦場には無数の骸があり、所々火の手があがっている。オーディンは、義兄弟であるロキの死を持って戦争を終わらせた。

 オーディンは、ラグナロク後にユードゥという勝利に最も貢献した神に、天空神という称号を送り戦場になった世界を彼に与え、更に12人の神々を彼の部下とした。

 幾ばくかの時が過ぎ、かつて戦場であった場所には木が生い茂り、花が咲き乱れている。時とは残酷なもので、神々の時代は神話としてもあやふやなものとして残るくらいでしかなく、神は空へと昇り人が時代を創るそんな時代になっていた。

 


 グラン歴740年
 
 アグストリア諸侯連合の一つであるノディオン王家。ここに新たに命が生まれようとしていた。ノディオン王国は、黒騎士ヘズルの血筋にあたり魔剣ミストルティンを継承している。

 「エルト兄さま、生まれそうです。すぐにお兄様も来てください」

 「そんなに引っ張らないでくれラケシス。お前がそんなに急がないでも赤ちゃんは待ってくれるさ」

 まだ幼い妹に声をかける兄。エルトシャンというその少年は、まだ体付きこそ出来上がっていないものの、その才能は、測りきれんと主君であるイムカ王にも称され将来を嘱望されている。
 そんな彼にも今日、弟が生まれようとしていた。実の母ではなく、妹のラケシスの実母である女性と父である現ノディオン王との間に生まれる子供であった。

 妹に引っ張られながらも、お産室へ向かう。そこには、神妙な面持ちの父と苦しむ継母、それにお産の手伝い達が所狭しと駆け回っている。ラケシスは、部屋に入ると母の元へ駆け寄りその手を握る。

 「父上、どうですか?」

 「エルトシャンか……どうも、相当な難産なようだ。無事に生まれてくることを願うしかないとは、男とは辛いものだな」

 「……ですが、どうやらそれもあと少しのようですよ」

 王は、妻の方を振り返ると少しずつ少しずつ赤ん坊の頭が股から覗くようになっていた。それから2時間後、ノディオン王家に新たに男子が誕生した。

 その男子の名はロキ。後に世界の命運に関わる使命を持って生まれた子供であった。






 『はい、でました。目開かん、マブイ。目開いたと思ったら、周り囲んでんの美男美女。……つーことは、転生だな間違いなく。しかも、俺手ちっちゃ、それに裸……』

 そん
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