暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第六話
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
あ〜しまったな。

確かに怒ってたとはいえ、こんな女の子を怒鳴りつけてしまった。

…最低だな、俺。

「ええと…」

しかし、怒鳴りつけた手前話しかけづらい。

どうしたものか…

「お願いだよ…私を一人にしないでよ…ピナ…」

少女は青い羽根を持ちながら泣き続ける。

「ピナ…?」

どっかで聞いた名だ。

泣き続ける少女を見て、ようやく思いだした。

《龍使い》の名をを持つビーストテイマー、《シリカ》

小型モンスター、《フェザーリドラ》のテイムに、この世界で唯一成功したプレイヤー。

年齢は十三歳ほどではあり、プレイヤーのほとんどが重度のネットゲーマーであるSAOをプレイしている中では、年齢はもっとも低い方だろう。

可愛らしい容姿と、そのフェザーリドラから、中層プレイヤーからはアイドル扱いされているらしい。

で、本人はそのアイドル扱いに若干酔っている…自分は特別である、と考えている節がある…と、知り合いからは聞いたな。

ピナと言うのは、その使い魔モンスター、フェザーリドラの名前。

…それがいないと言うことは…

「大丈夫だ、モンスターはもういない。」

シリカの手に、そっと自分の手を乗せる。

…これぐらいが限界だな。

これ以上行くと、『ハラスメント防止コード』に引っかかり、シリカがOKボタンを押すだけで、俺は一瞬の内に《黒鉄宮》へ送られ、監獄送りだ。

「君の友達を守ってやれなくてすまなかった。
…とりあえず、泣き止んでくれ。」

ゆっくりと。
諭すように言った。

「…いいえ…すいません…助けてくれて、ありがとうございます…」

俺の舌っ足らずな言葉も多少効いたのか、流石にまだ目の端には涙があったが、とりあえず話はできるようだった。

目の前で少女が泣いているのに、放ってはおけない。

男に遺伝子レベルに刷り込まれたことである。

…まあ、目の前で少女が泣いていたら興奮する、とか言う奴がいたら、速攻で監獄送りにしてやるが。

「君は確か…龍使いのシリカ、だよね。」

「…はい…」

青い羽根を持ちながら、なんとかといった様子で立ち上がる。

ん?てか青い羽根?

「…その羽根…もしかしてアイテム登録されてない?」

SAOでは、消滅する時は全て消滅する。

一片たりとも残らないのが普通だが…

シリカが羽根をクリックすると、半透明のアイテム画面が現れる。

名称 《ピナの心》

「待った待った泣かなないで!」

シリカが再び泣きそうになるのを止め、アイテムを取りだす。

取り出したアイテムは、《メモ帳》

何の変哲もない、ただのメモ帳だ。

まさにメモ帳・オブ・メモ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ