プロローグ:雪化粧の修道院 ※エロ注意
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く、調理場で昼食を料理している我らが修道院の女神も聞いている筈。ジャレド共々、冷たい笑みで醒めた口調で説教される事は確実だ。冬の冷たい廊下で正座する苦痛はもうこりごりなのに。
情けない笑みを浮かべながら、慧卓は騒ぎが収まらぬ室内へと駆け込んだ。それを追ってジェスロも駆け込む。修道院に一つの賑やかさが現れてきた。
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「ほんと、何時も何時も困りますよ、ケイタク様...」
夜の帳が降り、街外れの修道院に静謐の闇が立ち込める。朝方より降り始めた雪は勢いを弱めて今も尚降り頻っており、部屋の窓から外を見れば雪化粧に身を純白に染めた風景が見える。小雪がはらはらと漆黒の天から注ぎ、幾重にも積み重なった純白の絨毯に己をそっと添えた。
此処まで降り頻れば夜の冷え込みが増すことは必然といえた。常の冬の夜よりも寒さが増し、肌がいつも以上に寒さを敏感に感じ取って震えを来した。故に今夜は修道院では毛布一枚を追加して寝ることにしている。子供達が風邪を引かれては大変だ。医学や薬学の技術水準が現代のそれよりも格段に劣っている以上、一度引くと場合によっては命に関わる大事となる。日頃から気をつけて生活しなければならない。
だがそれは心身、そして何より魔術に関する能力がが未発達な子供の話である。大人まで成長すれば一般的な人間は、魔術的能力に恵まれぬ者は除いて、このように冷え込んだ夜に普通は『ヒーティング(暖房)』の魔術を使えば良い話。効果時間を調整すれば、朝方まで快適な睡眠を貪る事が出来る。それで一切合切解決だ。
修道院でもそれが行われていた。慧卓が眠る部屋では『ヒーティング』が充分に機能し、さながら現代の暖房器具の如く快適な空間を顕現していた。肌に伝わる温かみは心地良く、眠りに集中すれば瞬く間に快眠を約束するであろう。だが慧卓はそうはしない。己に言葉を紡ぐ女性がためだ。
「幼く未熟な若人達を導くは、んんっ、我ら大人の大事な勤めでありませんか。んむっ、ちゅる!特にジャレドは優秀ですけど油断しがち男の子ですから、あんっ...目を離しては大変です」
「あぁ、すまない...っ、なぁ、キーラ」
「ジュル、あむ...なんですか?」
慧卓の腰元に頭を埋めるようにしていた女性、キーラが顔を挙げた。水色の長髪は汗が光る背中に踊り、解れるように扇を描いている。二重のはっきりとした瞼の内から、翠の輝きを放つ瞳が慧卓を見詰めるている。熱に浮かされたそれには潤みが宿り、言葉に言い尽くせぬ情念が込められている。知性と理性が感じられる眉は緩み、頬は紅潮し、深奥に隠されていた熱い本能が如実に見て取れた。口から毀れ出す舌先はちろちろと動き、彼女の隠しきれぬ淫蕩さを体現している。
その美貌もさることながら、彼女の体躯は一段と目
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