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そらのおとしもの〜それぞれの思い
ぷろろーぐ
智樹とそらのおとしもの
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ている少女の背中からは紛れも泣く、彼女の数倍はありそうな……まるで飛んでそれを羽ばたくことを想定したような大きな翼があった

「こ、こいつはトラブル臭が凄過ぎる!て、撤収!!」
「あ、おいトモ坊。どこ行くんだよ!!」

 智樹は自己完結したようで踵を返して走り出そうとした。が、恭夜に腕をつかまれそうになる前にあるものに気が付いた

「え?」

 間抜けな声を出すと、空気を切り裂くような音とともに、自分のいる場所に何かが落ちてきた

「おい、動くなトモ坊!!」

 自分が昔、兄と慕っていた恭夜が叫ぶ

「うおぉぉぉ?」

 思わずその場にへたり込むと、目の前に柱……まるで○ピュタにあるような巨大な石柱が大地に深く突き刺さり、地面が衝撃で揺れた

「トモ坊、お前はその少女を早く助けろ!!」
「まって、恭兄はどうするんだ……よ?」

 彼の前、正確には穴の上に立つ恭夜に彼は問いかける

「大丈夫だ、問題ない!!」
「何が問題ないんだよ!?問題だらけだろーが!!」

 にこやかに問いに答える恭夜に智樹は怒鳴っていた

「と、まあ。冗談はさておき、早くその子をそこから引きずり出せ」

 恭夜はどこからか木刀を取り出すと細かい石屑を弾く

「くそ、分かったよ!!やればいいんだろ!!」

 彼はぐいっと彼女の両腕を自分の肩に掛けると、身体の小さい彼はできる限りの力でその場から離れていく。のろのろとした動きだが確実に一歩ずつ進んでいる。

 しかし、そんな彼の足取りを妨げるかのように再び、ひときわ大きな石柱が彼の上空に現れた

「あ……」
「トモ坊!!」

 後ろから恭夜が走ってくるのが見える。しかし、間に合ったところでどうにもならないだろうと智樹は諦めた

「う、うわぁぁぁぁあああ?」

 ……その時、羽を持つ彼女が眼を覚ました

「え?」

 突然の浮遊感に智樹は目をつぶった。何かに引っ張られているように彼は感じた。再び彼が眼を開いたとき、彼は空に浮かんでいた

(あ、俺、空を飛んで……死んだのか?)

「トモ坊〜!!お前はまだ生きてんみたいだぞ〜。後ろ見てみろ〜!!」
「って、はあ!?」

 彼は下から聞こえる声に反応して後ろを見た。

 そこには、先ほどの少女の姿があった。そして

「インプリンティング、開始」

 少女がそう呟くと、彼女の首輪の鎖が修復されるように徐々に伸び始める。それは智樹を守るように一周し、そして智樹の右手を見つけたといわんばかりに鎖が伸びると、しゅるしゅると巻きついてしまった。

「え?」

 もう柱も何も無くなった先ほどの場所まで降りると、智樹はまきついた鎖を眺める。握り締めると、じゃらっと言う鈍い金属音が鳴
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