ぷろろーぐ
智樹とそらのおとしもの
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陸っ!」
その時、智樹は思った
(駄目だこいつはっ。トラブルの塊どころか、トラブルで作られたような奴だ。こんなのに関わったら俺のへ、平和が………)
「桜井智樹、絃城恭夜。お前らは運がいい。今日の深夜十二時、この新大陸は空美町を通過することになっている。一緒に行くだろう?」
守形は智樹と恭夜の肩をがしっと掴んだ
「いや、俺は遠慮しときます」
「そうか、俺を信じろ。お前の夢は必ず俺が見つけてやる」
「はい、俺は遠慮しますんで智樹と行って下さい」
「ちょ、恭y!?」
その後、結局智樹にせがまれて恭夜も行くことになったのは言うまでも無い。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「あれ?」
「おい」
現在、深夜十二時近く。場所は大桜の根元、風が吹くたびに黒い波が立つ草原の中、そこの集まるはずだった四人の男女の姿は無く。代わりに桜を背もたれに立つ絃城恭夜と、何故か制服で三角座りをしている桜井智樹の姿しかなかった
「あれ?」
「おい、なんで嫌がってた俺とお前しかいないんだよ?」
再度呟く彼に恭夜は聞く
「いや………」
「まあ、いいや。トモ坊、のど渇いたから何か飲みもん買ってくるけどコーヒーでいいか?」
「あ、うん。コーヒーでいいよ」
「了解、んじゃ、おとなしく待ってろよ」
恭夜はそのまま歩いて自販機のあるところまで歩いていってしまった。
「ああ、ついに一人かぁ」
そして、智樹だけが集合場所に残されたのである。まあ、恭夜の場合は気を使ってくれたのだろうが……
「って、ふざけんな!!お前らが来いって言ったのに!!俺は帰るぞ、俺は」
智樹は立ち上がる。
―――空に捕まってる
しかし、ふと思い出したのはあの夢の少女の言葉。悲痛な、助けを呼ぶ声。何故かそれが耳に聞こえた気がした
智樹が携帯を確認すると、既に深夜十二時五十八分。新大陸の通過まで後、二分
「空に、捕まってる、か」
彼はその場に座り込んだ。どうかしている、そう心で呟きながら
そして、ついに携帯電話は十二時を示した
「……そろそろか?」
回りを確認してみるが、大した変化は見られない。そのまま一分、二分と過ぎたとき、智樹は悟った
「ほら、やっぱり何も」
突如、彼の携帯電話は鳴り響いた。まるで彼を監視していたように
「ど、わ、え、えと、な、もしもし?」
あわてて電話に出ると、そこからは守形の声が聞こえた
「な、何すか、先輩。驚かせないで下さいよ」
「智樹、すまん。恭夜もいるなら伝えろ。やっと今までのデータが まとまってな……今、大急ぎでそっちに向かっているんだがよく聞け」
電話の守形は一旦言葉を切ると、すぐ
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