憎悪との対峙
20 誕生の理由
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青い電波が発せられている。
「...何よ?」
『....』
『待って、ハートレス。サイトくんのウィザードが現れたってことは、サイトくんに何かあったってことじゃ!?』
何も話さないトラッシュに苛つきを覚えていたハートレスに一石を投じた。
確かにその通りだ。
彩斗と融合しスターダストになっているはずのトラッシュが現れたということは、彩斗が電波変換していないか、一時的に離れているということだ。
仮に後者ならば何らかの事情があって要件を伝えに来た、仮に前者ならば後者だけでなく更に彩斗が電波変換していない無防備な状態であることを意味する。
どちらにしても良いことではない。
するとハートレスのトランサーが勝手にコマンドを処理し始めた。
「!?ちょっと!」
複数のコマンドを実行し、1つの地図データを表示させた。
インターネットが繋がっていないため、地図データは入手出来ないはずだたった。
しかしかつてハートレスが検索した地図のキャッシュデータを検索し、それを繋ぎあわせて1つの地図にしたのだ。
地図上には1つの赤い点が心臓の鼓動のように点滅していた。
「まさか...サイトさん...兄さんはここにいるんですか!?」
『...プライムタウンの外れ...廃マンションの屋根の上...』
ハートレスはそれを見るなり、すぐさま部屋を飛び出した。
アイリスはハートレスのトランサーに、メリーはハートレスの後ろを追っていく。
これはトラッシュからのSOS信号だ。
だが普通のウィザードでは考えられない話だった。
「あなた一体何者よ?」
『...』
問いかけても案の定、何も答えない。
普通のウィザードはキャッシュデータから地図を再構成してまで何らかの処理をすることはないし、忠犬ハチ公のようにオペレーターのピンチを外部の誰かに伝えようとすることはない。
完全にイレギュラーな存在だった。
しかしトラッシュにも何らかの意志があることは感じられた。
彩斗を助けようとする意志、それは何処かメリーとアイリス、そしてミヤに近いものがあった。
2人はエレベーターでガレージに降り立つと、ハートレスのガヤルドに乗り込んだ。
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