憎悪との対峙
20 誕生の理由
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まぁそのうち分かるよ」
「はぁ...」
「あとさ、この後の廃ビルの外の映像に切り替えてっと...そうそうこれこれ。安食ちゃんの攻撃を食らって怒り狂う、そして周囲のノイズ率を急上昇させて吸収、200%を超えた状態でシステムが再起動」
「ノイズを吸収...そんなエースプログラムもジョーカープログラムもないのに...制御したっていうんですか?」
「そうなる」
少年は映像を見せながら笑うのを止めた。
そしてチョコレートもポケットに仕舞った。
この点に関しては少年自身も想像はしていたが、予想を大幅に上回る結果だったからだ。
「進化が思ったより速いな...まさかもうムーの...孤高の力に目覚めるとは」
「プログラム無しでノイズを制御するなんて、まるっきりあなたと同じだ...」
「いや、プログラムはあるさ。但しハードディスクなんかの記録媒体に入っていて簡単に受け渡しが出来るものじゃない」
「何処にあるっていうんです?」
少年はThinkPadを男の手に戻し、踵を返して屋上の階段へと向かった。
雨がひどくなってきた。
そんな中、少年は自分のこめかみに人差し指を当て、こう言った。
「脳内にある」
ハートレスは医務室から出た。
先程、スターダストにミヤの病室で言われた通りに施設の屋上には大ダメージを受け、倒れていたジャックとクインティアがいた。
その処理を済ませ、次はプライムタウンにいるValkyrieの処理に移らなければならなかった。
既に実働部隊が動いているが、猫の手も借りたい状況であるために休んでもいられない。
ため息をつきながら彩斗の部屋に入った。
PCを調べれば、更に詳しいValkyrieの情報が得られる可能性があったからだ。
それに情報を見て急いで飛び出してきたなら、電源が入ったまま、つまりログインパスワードが必要ない可能でせいも大きい。
そして案の定、PCの電源は入れたままになっていた。
「....エミッター?」
TouchSmartに表示されたWAXAの盗聴システムのログ、そこにはValkyrieの計画がシフトしたことを知らせる内容とそれに関わって重要な「エミッター」の存在が示唆されてた文章があった。
しかしそんな時、ハートレスは1つ気づいた。
「ん?」
WEBカメラがHPEのUSB端子から抜かれていたのだ。
普段は繋ぎっぱなしになっている。
違和感を覚えたハートレスはWEBカメラを挿し直し、鮫のエンブレムのスクリーンセーバーが表示されたHPEのマウスに触れた。
「メリー?」
『...ハートレス。兄さんは?』
スリープモードに入っていたメリーを覚醒させてしまった。
だが同時にメリーだけ
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