第九話 鬼
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真に襲い掛かると同時に闘真の懐からバルチャスの駒が飛び出し薙刀が具現化し暗黒騎士に体当たりし吹き飛ばした。
『!?』
薙刀の攻撃に打ち付けられる暗黒騎士。
『薙刀!?・・・!?』
闘真が薙刀の元へ駆けよると薙刀はバラバラになり風狼の鎧に纏わりついた。
・・・旋風騎士風狼・鉄甲・・・
その姿を見た暗黒騎士が飛び掛かると先程とは違い少しは凌げるようになった闘真。
一撃の破壊力は破魔風刃弓に劣るが全体的な能力が向上したようだ。
暗黒騎士の攻撃を凌ぎながら戦う闘真が狼風剣を繰り出すと暗黒騎士の身体にヒットし溝を斬った。
『!?・・・!!』
叩き付けられると暗黒騎士は脇腹を抑えその場を離脱してしまった。
それと同時に膝をつく闘真の鎧が解除された。
「はぁ・・・はぁ・・はぁあ・・・間違いない・・・奴だ」
『マジかよ』
ヨロヨロと立ち上がる闘真は暗黒騎士の正体を確信し立ち上がるとすぐさま三杉の元へ駆けより自身の山小屋へ運んだ。
ちょうど訪ねてきた若葉が三杉の為に塗り薬を用意し介抱していると眠っている三杉の顔を見つめる闘真。その空気を打ち破る様に若葉が口を開いた。
「闘真・・・この人が・・・心得の師匠さん」
「ああ・・・闇に堕ちた騎士を討伐しろって指令だったけど・・・三杉さんだと思った・・・けど指令書の奴は三杉さんじゃなかった・・・この人が闇に堕ちるなんてありえないって思ってた・・・けど今この人は闇に堕ちかけてる・・・その事情を聞きたい・・・」
その表情を見つめる若葉。闘真がどれだけ信頼していたかがうかがえた。
「ん・・・」
すると目を覚ました三杉。三杉があたりを見回すと闘真の姿が目に入り問いかけた。
「三杉さん・・・何があったんだよ・・・あんたほどの男が乱心して戦うなんて」
闘真の表情を見つめる三杉は隠すつもりが無いのか語り始めた。
「妻が・・・やられた・・・」
「え?」
「ホラーに襲われた・・・今意識が無い・・・」
三杉の話ではある夜三杉の妻はホラーに襲われたが、すぐさま三杉が駆けつけ絶命することはなかったが意識が戻らなくなってしまった。そして目覚めぬ妻を目にした三杉は私念を抱き、妻を襲った三体のホラーを斬る為にホラーの仮面を被り復讐を誓ったのだ。
「三杉さん・・・あんた・・・騎士だろ・・・騎士だったら騎士としての・・・「騎士である前に人だ!!」!?」
三杉の悲痛な叫びが闘真に響き渡った。
(騎士である前に人であれ)
その言葉を教えてくれた三杉が自分の過去を復讐という形で清算しようとしている。
それは騎士としてはやってはいけない事だった。
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