姫君の従者。
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たいんだ。 いつかかならず帰るから――」
「うっ……ぐすっ……ピエールお兄ちゃん……うわーんっ」
悪いが幼女に興味なし。
◆
そんなわけで僕は故郷を捨てた。 目指すは首都《アルティナ》。
ちょっとばかり遠いけど外国行くとなるとパスポートつくらなくちゃいけないから面倒だしね。
何より世界一美しいと謳われる都は僕が暮らすのに相応しい。 その他諸々の理由から、目指すならアルティナしかないと思ったね!
そうして到着したアルティナはやはり素晴らしい所だった!
七つの白亜の塔、ゴミひとつない真っ白な石で舗装された街道! そして何より日の光で七色に輝く王城クリスタルパレス! 純白の都に色を添える多種多様な花々! ああ、まさに僕が夢見ていた通りだ!
アルティナについた僕はしばらく冒険者で生活費稼ぎながら宿屋暮らしに甘んじていたけれど。 すぐにスフォルツェンド騎士団の入団試験に申し込んだ。
僕は強いし、騎士団に入団すればクリスタルパレスの近くで暮らせる。 僕なら昇進間違いなしだし、近衛兵になればクリスタルパレスの中で暮らせるようになる!
入団試験は面接と実技しか無くて、もちろん合格したよ!
◆
「851番、ピエールです。 先週18になりました。 出身は魔の森の手前にある農村です。 平民なので家名はありません。 剣の腕は村で一番でした。 手芸から日曜大工まで何でもこなします!」
「ふーん。 書類の職業に冒険者ってあるけど、ランクは?」
面接官は騎士団の制服を着た赤毛の男だった。 非常に気だるげで早く帰りたいという空気を前面に押し出している。 僕に対して何て酷い態度だ。 審美眼が無いらしい。
「ランクはDです!」
「ぷ。 Dか、Dね」
「……冒険者登録したのが三日前なので――」
「あ?」
「ですから、冒険者登録したのが三日前なので、昇級試験が間に合わなくて」
「三日前……? てめぇ――馬鹿にしてんのか? 三日でFからDに上がれるわけねーだろ。 調べりゃ分かるような嘘ついてんじゃねーぞ。 ああ?」
面接官が何やら殺気を放ってきたが、村にしょっちゅう出入りしていた魔物共で鍛えられた僕からすればそよ風のような物だね。
「村からアルティナへ至る道中に魔物に襲われていた馬車を助けたら登録時点でDランクにしてもらえました」
「はあー?」
「――そういえば……」
赤毛の隣にいた地味な茶髪の男が赤毛に何やらごにょごにょ囁く。
「ああ、あれ、マジだったのか――なるほど、魔の森付近の農村、ね。 オッケーオッケー、お前、もう行っていーぜ。 次は実技試験だから。 名前呼ばれるまで控室で待ってろ」
「はい! では、失礼し
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