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ゴミの合法投棄場。
魔王は勇者の世界を知りたい。
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女は、体勢はそのままに、顔だけを上げて妖艶な笑みを浮かべる。

「私は【写し身】を通じて魔王様よりもニンゲン達と多く関わってきましたもの。 その思考回路は理解はできずとも、価値観が違うことくらいなら分かりますわ」
「ふうん。 なるほど」

 やや憮然とした表情を作った魔王を、ラスティアラは愛おしげに見つめ、微笑む。

「そんなことよりも、魔王様。 勇者千人の討伐、おめでとうございます。 これでこの忌まわしい封印も解かれ晴れて魔王様は自由の身。 私たち、四将軍も【写し身】でなく、本体を現世に戻すことが出来ます。 これでようやくニンゲン達を根絶やしにすることができますわ」
「……私よりも人を理解したという口で、根絶やしにしろと言うんだね」
「理解したからこそ、ですわ。 私たちとあれらは、価値観から身体の構造まで何もかもが相容れません。 分かり合うことは一生無いでしょう。 どちらかが滅ぶしかないのです。 魔王様もお判りでしょうに。 ――さあ、他の窓もお開きくださいませ。 封印の解けた今ならば全ての窓を開くことができるはず」
「――私は、先ほどの勇者の記憶を見て、むしろ人間に興味が湧いたよ」

 魔王はゆるりと、口角を上げ笑みを浮かべた。 その、どこかいたずらっ子のような雰囲気を纏う笑みにラスティアラはギクリとなる。

「魔王様? また何か良からぬことを――」
「『また』だなんて……嫌だな。 そんな言い方、まるで私がしょっちゅう良からぬことをしてるみたいじゃないか――ただ、ちょっと勇者になってみようかなっていうだけだよ」

 照れたように頬を染めてみせた魔王はくすぐったそうな笑顔でサラリと言い切った。
 ラスティアラは一瞬フリーズし、次の瞬間彼女に似合わない愕然とした表情と共に驚愕の声を上げた。

「は。 ……はぁぁ!?」
「あ、でも人間からしたら私の存在そのものが良からぬことに該当するのかな。 魔王だしね」

 のほほんと笑った魔王がパチンと指を鳴らすと、閉まっていた三つの窓がバタンと開く。

「っと、魔王様!?」
「ふあ……魔王様!? おおお久しぶりっす! って、おわっ――ぶふぅ!?」
「――……封印が解けたのですね。 お祝い申し上げます、魔王様」

 窓が開くと、新緑を思わせる緑の髪と金の瞳を持つ、肌の所々に鱗を持つ青年が目を見開き、蜂蜜色の髪と紫の瞳を持つ、真っ赤な天使の翼が生えた幼子が転び、燃え盛る炎のような赤毛の髪と真紅の瞳を持つ青年が閉じていた目を静かに開き、片膝を立てて跪いた。

「皆、久しぶりだね。 突然で悪いけど、ちょっくら勇者になってみることにした。 だから、私の許可無しに現世に降臨するの、禁止な?」

「は、はい! ――って、勇者ぁ!?」
「うえぇ!? 何すかソレ! 魔王が勇
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