第六話 退化
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第六話 退化
闘真の山小屋
「!!」
「!!」
山小屋の庭で木刀の衝撃音が響き渡ると、そこには闘真と親友のタカヤの姿があった。
あの後タカヤは良くここに訪れるようになり人に言えない自分の事情を明かすようになった。
何故か今回小太刀の木刀で戦うタカヤ。すると闘真の一閃を掻い潜り闘真の眉間に突きを入れた。
「!?」
余りの衝撃に吹っ飛ばされた闘真は目を回し倒れてしまった。
縁側で目元に濡れた布を当てられダウンしている闘真。
するとタカヤも若葉から冷たい砂糖水を貰い飲み始めた。
『カブトムシかお前は・・・』
「いや・・・意外にこれ美味しいよ?すぅっと栄養が入ってくる」
キリクのツッコミに意外とスッキリ飲める事を主張するタカヤ。
そして闘真の山小屋に訪れる礼羅の姿があった。
「お?タカヤじゃないか?」
「あ・・・礼羅さん今日は?」
「ああ・・・お前さんの刻印についてちょっと調べろとさ」
タカヤに打ち込まれた刻印の解き方を風の一族の礼羅なら知っているのではないかと考えた闘真に呼ばれたのだが生憎そういった物は知らない。
とりあえず礼羅は刻印を見るため訪れた。
上着を脱いだタカヤは刻印を見せるが礼羅にとっても厄介な物であるらしい。
するとタカヤはある疑問があり礼羅に聞いてみる事にした。
「礼羅さん・・・聞きたいことがあるんです」
「聞きたいこと?・・・生憎・・・この刻印の解き方はあたしもわからないよ」
神妙なタカヤの顔つきに礼羅はまじめな顔になりながら聞いた。
そしてタカヤは一呼吸おいて言った。
「違います・・・闘真さんは・・・何故剣を使わないんですか?」
「ああ・・・あれか・・・」
「剣を使った方が強いと・・・僕は思います」
バルフェスの戦いのとき見せた闘真の剣技、荒々しく乱暴だがその剣には何かを秘めた物があった。
その疑問を礼羅はこう答えた。
「あいつ・・・自分の剣が嫌いなんだよ・・・自分の【邪剣】がな」
「邪剣?」
礼羅の証する邪剣という言葉に疑問を持つタカヤ。とてもじゃないが闘真のような男からそんな邪悪な物は感じ取れない。
「あいつは・・・ただホラーを斬る為だけに剣を磨きホラーを憎んだ・・・そしてあいつの怒りが剣を強くした・・・そしてある時自分の剣を【邪剣】と言った同期を叩きのめしてしまった・・・それが自分で恐ろしかった・・・あいつが思い描いた騎士としての在り方に疑問を持ってしまった・・・だからあいつは剣を捨てた」
「剣を・・・捨てる・・・」
剣を捨てた闘真に疑問を抱くタカヤ。すると礼羅はタカヤに一つの謎かけをした。
「なぁ・・・怒りによって
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ