第四話 人斬り
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に叩き付けられてしまった闘真に斬十郎が歩み寄った。
「どうした?・・・俺が今まで斬ってきた闇に堕ちた騎士の方が強いぞ」
「うるせえ!油断しただけだ!!」
斬十郎に蹴り込む闘真だがあっさりと受け流されカウンターを食らうが咄嗟に防御する。
臆せず左右のコンビネーションで打ち込むが斬十郎は見事な太刀捌きで闘真を斬った。
「く!!」
肩のあたりを斬られ血が舞う闘真。
「・・・どうした小僧・・・」
「・・・あんた・・・強いのに・・・どうして」
斬十郎の太刀筋から鬼神の様なもの以外に何か別のものを感じる闘真。
「・・・虚しくなった」
「何?」
「・・・何のためにホラーを斬って・・・何のために闇に堕ちた騎士を斬ったか・・・もうどうでもよくなった」
そう呟き闘真に斬りかかる斬十郎。
斬十郎の一撃は当たれば絶対に絶命するほどの威力を秘めていた。
距離を置いた闘真は魔戒棍を掲げようとするが思いとどまった。
「どうした?鎧を召喚しないのか?」
「うるせえ・・・あんたも何で召喚しないんだよ」
「俺は騎士の誇りを捨てた・・・鎧などいらん・・・!!」
斬十郎の一撃を受け止めながら闘真も宣言した。
「だったら言ってやる・・・俺は鎧を使わないであんたを倒してみせる!!」
魔戒棍を構え直した闘真は斬十郎に殴りかかった。
闘真の拳を受け止める斬十郎は荒々しくも鋭い剣撃で闘真に打ち返し弾き飛ばした。
「がは!!」
大木に叩き付けられる闘真。
威力は凄まじく大木は折れてしまった。
「どうした?・・・その程度か?」
「なに!?」
「それでも守りし者か?」
斬十郎の言葉に闘真は立ち上がって答えた。
「俺は・・・守りし者じゃない!」
「なに?」
「俺は・・・はぐれ騎士だ・・・騎士道なんて物は持ち合わせてない・・・けど!!」
魔戒棍を二刀流の棍棒状態に持ち替え斬十郎に殴り込みながら闘真が吠えた。
「俺は・・・目の前で泣いてる奴がいるなら・・・そいつのために戦う!」
闘真の目を見た斬十郎は瞑想し・・・目を見開いた。
「小僧・・・誰かの為が何の役に立つ!?」
「なに!?」
「かつては俺も同じような気持ちだった・・・誰かの為に戦いホラーを斬った・・・闇に堕ちた者も斬った・・・そしてついたあだ名が人斬り斬十郎・・・そして誰かの為に戦い・・・自分の大切な人を目の前で失った・・・」
「大切な人?」
「・・・妻だ」
「・・・妻?・・・ぐ!!」
言葉に惑わされた瞬間斬十郎の剣が闘真を吹き飛ばし大地に叩き付けた。
人を斬ってきた男の剣の重みにつぶされそうになる闘真は・・
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