第五話
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「ハアアアアアッ!」
日本刀《銀ノ月》による斬撃に、運悪く俺の前にPOPしたモンスター、《フォレストウルフ》が砕け散る。
そういや、武器を振る時に、気合いを入れた叫び声を出すのは日本人だけだったらしい。
西洋の戦いは、斬り合っている時も終始無言だそうだ。
「って、んなことはどうでも良いか…」
つい、頭に出てきた豆知識に自分でツッコミを入れる。
ホランドの依頼を受けてから、オレンジギルド《タイタンズハンド》リーダーである、槍使い《ロザリア》が今いるというギルドが、ここ、第35階層サブダンジョン《迷いの森》に来ているらしい、という情報を貰った俺は、その《迷いの森》に来ていた。
多数いる知り合いから大量の情報を貰った…どうやら、意外と、情報屋たちには《タイタンズハンド》は有名なようだ。
その手口とは、ホランドたち《シルバーフラグス》が襲われた時と同じように、目標のギルドに一人のグリーンプレイヤー…担当者はロザリア…が入り込み、あらかた情報を集めて、レアアイテムをゲットしたら傷ついたところを襲撃する。
という感じらしい。
「さて。」
ロザリアが今いるというギルドを見つけ、そいつらの後をつけて〈タイタンズハンド〉が現れたら、一網打尽。
という作戦なのだが…
肝心のロザリアが今いるギルド《ミッシングリンク》が見当たらない。
それもその筈。
ここ、《迷いの森》は文字通りの場所。
数百のエリアに分割され、なんでだか良く知らんが(確か、買った情報によるときちんとしたギミックがあったが、忘れた)自分がどこにいるか分からなくなる。
近くの街で、高価な地図アイテムを買えば迷わないらしいが…あいにく、買っていない。
転移結晶を使っても、近くの森に飛ばされるだけという、えげつないダンジョンだ。
「そんなところから、どう見つけろと?」
自分の作戦の未熟さに自分で呆れる。
と、言っても歩くしか無いわけだ。
「ま、いつかは見つかるだろ。」
−それから数時間後−
「いねぇ!」
もう夜も深まり、視界の悪い森の中にいるのは俺くらいだ。
俺自身のシステム外スキル、《気配探知》は近くのプレイヤーやモンスターたちは分かるが、自分を意識していない遠くのプレイヤーのことは分からない。
それが、普通の《索敵》スキルと違うところだ。
それが今回は仇となった。
しかし、自分には《索敵》スキルは使えない。
無い物ねだりをしても仕方がない。
「ホランドには悪いが、出直すか…。」
昼も夜も無いダンジョンならともかく、視界の悪い夜の森の中で狩りをする馬鹿はいまい。
帰ろう帰ろう。
そう思ったが。
「どうやって帰れば良いんだ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ