カトレーンの証明
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考えただけで納得出来る。
「気に入らねーな」
「ナツ?」
「だってよぉ、それってつまり優秀じゃない奴はいらねぇって事だろ?そういうの何つーんだっけ・・・人種差別?」
「あ、ナツ・・・お前人種差別って言葉知ってたのか」
「お前オレの事バカにしてんのかーっ!?」
ヴィーテルシアに真顔で呟かれ、ナツはキレる。
いつもならその言葉はティアが言うのだが、今ティアはいない。
ギルドのいつものテンポを保つように、ヴィーテルシアは呟いた。
「・・・ドラグニルみたいな人間が一族にいたら、変わっていたのかもしれないな・・・」
「ん?」
「何でもない、独り言だ」
優秀かどうかなんて気にしない。
そういう人間がいたら―――――クロスは考えずにはいられなかった。
「一族の中では、主であるお祖母様の命令は絶対。お祖母様が出来損ないだと判断すれば、たとえ後に優秀になるとしても、一族の中では忌み嫌われる。中には―――――存在が罪だとして、殺された者もいた」
「なっ・・・」
「それって・・・!」
「酷すぎだろ!優秀か違うかで生きるか殺すか選んでいい訳ねーっ!」
「それがカトレーンの常識なんだよ。死にたくなければ優秀になれ。生きていたければ他を蹴落として頂上へと昇れ。他を足場に昇り詰めろ・・・よく言われたさ」
腐りきったカトレーンの常識。
クロスは言葉にするのも気に入らないといった様子で吐き出すように言った。
「姉さんは優秀だ。カトレーンの長い歴史の中でも5本の指に入るほどに。だから最初・・・姉さんが出来損ないと呼ばれる理由が解らなかった」
言われて、思い出す。
シャロンはギルドに現れた際、ティアに三流だの出来損ないだの言いまくったのだ。
あの時は連れ帰られそうになっていたティアをナツを始めとするメンバーが止めたから良かったものの。
「自分の姉をここまで称賛するのもどうかと思うが、姉さんは完璧だ。微かに幼さが残った美しい顔立ちも、宝石のように輝く青い瞳も、1本1本に輝きを纏った青い髪も、細くスラリとした手足も、雪のように純白で光を弾く肌も、完璧としか言いようがないプロポーションも、ただでさえ美しい青い瞳を飾る鋭い光も、縁取る長く贅沢な睫も、スッと通った鼻筋も、小さく結ばれた形のいい唇も、淡く薔薇色に染まった頬も、放たれる鋭い言葉も、全てを竦み上がらせる鋭い睨みも、その手より美しい形で現れる水も、心地よく軽やかなあの声も、器用な手先も少し不器用な性格も、クールでありながら手を差し伸べてくれる秘めた優しさも、一切の無駄がない戦闘の動きも、頭の中で瞬時に組み立てられる計算も・・・とにかく姉さんを構成する全てが完璧で出来ていると言っても過言ではないほどに姉さんは完璧で美しい」
それを聞いてナツ達は偶然にも同じ事
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