カトレーンの証明
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て知った時、お前達は姉さんを仲間だと呼べるか?」
誰も、答えられなかった。
クロスが目を伏せる。
・・・が、答えられないのは当たり前の事。
「さあな」
口を開いたのはナツだった。
クロスが視線を上げる。
「ティアがどんな事隠してるとかイマイチよく解んねぇけど、聞いてもねぇ話で仲間って呼ぶか呼ばないかなんて決められねぇよ」
そう―――ナツの言う通りだ。
ティアの過去を知らないのに、今の段階で頷く事は出来ない。
反対でも同じだ。首を横に振る事も出来ない。
「・・・そうか」
ふっ、と。
それを聞いたクロスは微笑んだ。
「よかったよ・・・姉さんの近くにお前がいて」
「は?」
「これで頷かれでもしたら、俺は何も言わなかったさ。姉さんの事を何も知らない人間がーってな」
クスクスと笑うクロス。
そして―――――彼は、語る。
「では語るとするか・・・カトレーンの、裏側を」
「・・・ん」
カトレーン本宅。
その一室で、ティアは目を覚ました。
ぼんやりとする頭を回転させ、何があったかを思い出す。
「・・・そう、体に手を突っ込まれて爆発音が響いて――――――」
記憶がハッキリとしてきた。
ティアが額に手を当てていると―――
「失礼します」
「!」
声と同時に、1人の少女が入ってきた。
栗色の髪を左耳の横でお団子に結え、紫のリボンを付けている。
銀色のストーンが散りばめられた紫のチュニックを着て、七分丈のデニムを穿き熟し、星のネックレスを付けた少女は軽く頭を下げた。
「ティア嬢のお世話をさせていただく、ルナ・コスモスです」
少女『ルナ・コスモス』の言葉に、ティアは眉を顰めた。
そして、呆れたように溜息をつく。
「災厄の道化ね・・・闇ギルドの奴に世話してもらわないといけないほど、落ちぶれたつもりはないんだけど」
「ええ、ティア嬢は優秀です・・・1つを除けば」
その言葉に、ティアは鋭い目つきでルナを睨みつけた。
が、当のルナは気にしていない様子。
抱えていた白い布を、近くのベッド―――明らかに1人で寝るには大きい―――の上に置いた。
「シャロン様より、これに着替えるようにと」
「・・・」
「それでは、失礼しました」
ルナは再び頭を下げ、部屋を出ていった。
1人になったティアは、ルナが置いていった白い布を掴む。
「・・・こういうの、趣味じゃないんだけど」
呆れたように肩を竦めるティア。
それは、教会のシスターが着ていそうな尼僧服だった。
「カトレーンの一族は、イスバン地方に古くから存在す
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