第ニ話 家族が増えました
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言えば『過去と現在の境界』による時間逆流治療だ。なにも酷いことをしようってわけじゃない。
早速実行に移す。傷口の境界を操り、傷を修復していく。
・・・・・・・・・・・・ふぅ。とんでもなく負担がかかった。具体的に言えば霊力の八割は持っていかれた。これは大体だから、実際はもっと多いだろう。
治療を終えてキョトンとしている狐を見る。治した箇所を見ると、綺麗な毛並みが見えた。よし、
「家で飼いましょう!」
「いいわね〜」
「コォン!?」
いいリアクションをする狐ですね。
家に連れて帰り、二人で狐を洗いまくる。洗い終わった狐の毛並みは金色に輝いていた。
そして二人で狐をモフりながら寝た。
いつも以上に気持ちよく寝れたZE☆
そして翌日。
暑苦しさで起きた。夏場だから、基本は涼しくしているはずなんだけど・・・・・・。
気になって見てみると、狐の尻尾が増えていた。具体的には九倍に。モフモフだよ。
「起きて」
俺は抱いている狐を起こす。狐はまだ眠いのか、前足で目を擦った。
「尻尾が九本になってるわよ」
そう言った瞬間、目を擦る動きが止まる。そして、次の瞬間、脱兎ならぬ脱狐の如く逃げ出し・・・・・・その先に開かれていたスキマの落とし穴に落ちた。ホント、スキマって便利だよな。
スキマから首だけ出して質問する。
「ねえ、あなたは妖怪?」
「・・・・・・」
しかし狐は黙ったままだった。
「私の言っている言葉の意味は分かる?」
「(コク)」
意味は分かっているらしい。なら、会話できるか?
「もう一度聞くけど、あなたは妖怪かしら?」
「・・・・・・(コク)」
肯定、つまりは九尾の狐で間違いない。尾が九本あるんだから。
「そう。私は八雲紫。隣で寝ている女の子は西行寺幽々子よ。よろしくね」
俺はスキマから九尾の狐を解放する。狐はこちらこそよろしくと言わんばかりに頭を下げてきた。
「さて、あなたは妖怪、私は人間。普通なら一緒に生きるなんてできない。・・・・・・でも、私たちは普通じゃない」
「それは知っている。先程見たからな」
「あら、喋れるじゃない」
「当然だ。仮にも九尾だからな」
そりゃそうだ。九尾なら人語を理解するなんて当たり前だろう。喋ることだってできるはずだ。
「それで、あなたはこれからどうするの?」
「そうだな・・・・・・傷を治してくれた恩を返そうと思っているよ」
「なら、私のお願いを聞いてくれるかしら?」
「出来ることなら」
「それじゃあお願い、私達の家族になってくれるかしら?」
俺はそう言った。その言葉を聞いた九尾の狐は、ポカンとした表情を浮かべた。
「ふふ、面白
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